みなさんこんにちは!
あっくんさんです。
今回は、ゲストレターについてです。
普段キャストとして勤務していて、お客さんから感謝されることはよくあります。
ありがとうね、とか助かりました、などの簡単なお礼から、中にはわざわざお礼を言いに来てくれる方も。
さらに、お客様から感謝のお手紙をもらうこともあるんですよ。
それを、「ゲストレター」と言います。
ゲストレターが届くと、中身を開封されます。文面から、どこの部署に対して送られたものかを確認するんですね。
基本的に、キャストはゲストからの贈り物は受け取りません。
でも、ゲストレターは別。ちゃんと本人のもとへ届けられます。
なぜ知ってるかって?
実は僕、ゲストレターをいただいたことがあるからです(キリッ)
ドヤァ!
……いや。
全然自慢できることじゃないんですよね。
なぜなら、僕の実力ではないからです(泣)
それではまもなく出発でーす!
目次
普段はあまり感謝されないスプラッシュ・マウンテン
スプラッシュマウンテンは、残念なことに、あまり感謝されることが少ないアトラクションです。
僕が感謝されることをしていなかったんじゃ? という指摘は正しいけど、これは全般的な傾向ですっ(笑)
でもたまには、ありますよ。
たとえば、小さなお子さんが迷子になったことがありました。
親御さんが、突然子供を見失ってしまった。
子供が迷子になった、と言われたら、まず近所を探します。
少しの間探していないようなら、迷子センターに確認します。
すると、どうやらそれらしき子が保護されていると。
そこで親御さんにその旨を伝え、迷子センターへ迎えに行ってもらいます。
その時のお母さん。
後で、わざわざスプラッシュまで戻って来てくれて、先ほどはありがとうございました、とお礼を言われました。
その上、お礼のしるしにと、ピザやポップコーンを買って来てくれて。
みなさんで召し上がって下さい、と渡してくださったことまであります。
基本、ゲストからの贈り物はお断りするのですが、むげに断るのはかえって失礼に当たりますよね。
リードが代表して受け取りまして。
ありがたくみんなでいただいたこともありましたね。
僕自身は、スプラッシュで勤務中に、ほとんどゲストから感謝されたことがないかなと。
いや忙しくて気づいてなかったか、忘れただけかな……(反省)
マークトウェイン号で特別対応した家族
僕が蒸気船マークトウェイン号で勤務していた頃。
夏休みの真っ盛りのことでした。
船がちょうど船着場に停泊して、次のゲストが乗り込んできていた時のことです。
僕の次のポジションは操舵室でした。
「あの、船長さんに会えると聞いてきたんです!」
僕は声をかけられました。
そのご家族はお父さん、お母さん、小さなお子さんが2人のグループ。
特にお母さんがとても張り切っていました。
船が出発すると、早速ご家族を操舵室へご案内。
当時はまだ操舵室サービスをやっていました。一グループ限定で、操舵室へご招待するサービスです。
(今はやってません)
眺めのいい操舵室で舵輪を回し、写真を撮って、すっかりご機嫌のお母さん。
ちなみにお父さんは、割と冷静でした(笑)
子供達は、最初は遠慮がちに。でもだんだんはしゃいでいました。
でもやっぱり、お母さんが一番喜んでました(笑)
その後、僕のもとに一通の手紙が届けられた
一月以上もたった頃。
そのご家族からお手紙が届いたことを、僕はSVから聞きました。
普段、職場には責任者としてのリードがいるんだけど、そこへSVが現れました。
僕が戻ってきて休憩に出るタイミングを図って、やってきたのです。
「S根さんが話があるってよ」
ドック(船着場)で、リードのF原さんに言われて。
……え、何かやらかしたっけ?(恐怖)
って思ったんですけど、違っていました(笑)。
ひとまずホッとした。
マークトウェイン号のリードオフィスに入って。
S根さんが、一通の手紙を取り出したんです。
読ませてもらうと、あー、あの時案内したご家族か、と思い出しました。
そう、僕はあの家族のことを、なぜかすぐに思い出せたんですよ。
「(ゲストレターの)返事を書いてくれ」
と、S根さんから指示が。
「え、僕がですか?」
「そう。もらった人がお礼の返事を書くんだよ」
手紙に僕の名前が書いてあったので、僕宛だと。
操舵室には、もう一人キャストがいたんですが。
びっくり。そんな制度になってたのか。
知らんかった。
まず下書きを書け、と言われ。
「できたら見せて。内容をチェックする」と。
そこで、僕はレポート用紙に下書きを書いて、S根さんに提出。
ちょこちょこっと修正をされて、出来上がった文章を、今度は清書することに。
東京ディズニーランドの写真が使われた絵ハガキが用意されて、僕はそれに書き直しました。
「間違えたら、やり直しだぞ」
と、書いてる横でプレッシャーをかけるF原さん(笑)。
宛先も、僕が書かされました。
うーん、僕は全然字が綺麗じゃないので、これを出すなんてむしろマズくないかな……(笑)
と心配になりながら。
そうして完成した手紙は、TDLの消印を押されて郵送されたようです。
★
その時ゲストから届いたお手紙は、僕がもらえることに。
へえー、もらっていいんだ。
と当時、意外に思ったことを覚えています。
……でも、改めて思うけど。
あの時のご家族は、別に僕だから手紙を書いてくれたんじゃないと思う。
マークトウェイン号の、昔のサービスに対して感謝してくれたんです。操舵室に案内したという、特別なサービスに対して。
僕じゃなくても、あのご家族に対応したキャストなら、誰でも手紙をもらえたんじゃないかな、ということ。
だから、僕の実力じゃないんです。
ゲストレターは普段は遺失物センターに掲示されている
当時、ゲストレターといえば、遺失物センターの壁にまとめて掲示してありました。
遺失物センターは、ちょうどメインストリートハウス(総合案内所)の裏側にある、キャスト専用の施設です。
キャストが自分達のロケーションで拾得した落とし物を、持っていく窓口なんですね。
そのカウンターの横手の壁に、ゲストから届いたお手紙やハガキが掲示されていて、読むことができました。
壁一面に、様々なデザインの便箋、封筒が貼られていて、そこを訪れたキャストは誰でも閲覧できるようになっていました。
たぶん、特定のキャストに対してのものじゃなく、TDLパーク全体に対する感謝のお手紙を掲示していたんじゃないかと思います。
それを見ていたから、アトラクションに来たレターも、ここに掲示される。
僕らは、それを見ない限り知ることはない、と思っていたんです。
だから読むことができただけでなく、まさかそのお手紙をもらえるなんて夢にも思っていなかった。
やっぱり、嬉しかったですね。
僕がキャストになって、まだ3ヶ月くらいの時です。
もちろん、捨てられない。
まだ持ってます。
あの時の、張り切っていたお母さんの姿を思い出しながら。
遠い真夏の、懐かしい思い出ですね。
あれから、もうすぐ29年がたとうとしています。
あっ、手前が僕ですからね。
1 件のコメント
素敵なお話ですね!
私も元キャストですが殆ど非接客でゲストと触れ合わないので手紙を一度も頂かなかったので、どのように手に渡るか知りませんでした。
以前ゲストとして来園して、キャストさんにお礼のお手紙を送ったことがあります。
本人は全て手元に持っていると思いますが、たまにネットで「連絡先は上司に消される」と書いてありますが、消されていませんよね?
やはり一度開封されるのですか。書くのが緊張しますね。