スプラッシュ・マウンテンの丸太ボートの話

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出口の看板の画像
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みなさんこんにちは!

私はその昔、東京ディズニーランドのキャストとして働いていました。
丸太ボートに乗って、主人公のうさぎどんが冒険の旅に出るストーリーを元にしたアトラクション、スプラッシュ・マウンテンのキャストをやっていたんです。

その頃のお話を、ちょっとだけご紹介しようと思います。
全然ちょっとじゃないけど(笑)。

さて、今回は、乗り物のお話です。

アトラクションといえば乗り物ですよね。
スプラッシュ・マウンテンは、定員8名の丸太をかたどったボートに乗って、水路を進んでいくアトラクションです。
途中で見える風景が、うさぎどんの冒険の物語をたどっていけるように作られています。

乗ったことがある人は、スプラッシュ・マウンテンはボートに乗るんだな、と思うくらいで、乗り終わったらすぐに忘れてしまうと思います。

せっかくだから、まずはスプラッシュ・マウンテンの基本中の基本である乗り物、ボートの話をしましょうか。

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丸太ボートの大きさ・車輪・ナンバー・台数・先端の飾り

スプラッシュのボートは8人乗り。横に2人座れて4列あるので合計8名が定員です。
座席に座ってからよく見ると、前席の背もたれの裏側、目の前に【定員8名】と記載されたプレートがついています。

確か日本の船舶法に、船舶は必ず定員を表示することという決まりがあったはずで、それに準拠しているようですね。

蒸気船マークトウェイン号も1階デッキの後方に、定員のプレートが設置されていますよ。

現在はバーが1人1本の独立した形状になっていますが、僕がいた頃は横につながった形をしていました。

重量は、記憶では確か、約960キロだったと思います。何も載せていない時の重さです。長さが約3.8メートルだったかな。

乗船中と動いている時は見えませんが、船底の四隅には車輪がついています。縦に回転する車輪と、水平方向に回転する車輪があります。

縦回転の車輪は、水路の水がないところを進む時にガイドレールからはみ出さずに走行するためのものです。

水平回転方向の車輪にはサスペンション機能がついていて、水路の岸壁に接触した時に衝撃を和らげる目的があります。そもそもボートには舵がついていませんから、曲がる時は岸にガンガンぶつかります。その時の衝撃を吸収するためですね。

ちなみに、ボートには動力はありません。
水路の水流に流されて、時に重力で滑り、高い場所へ向かう時はコンベアに乗せられて上昇したり、前方に進みます。

ボートにはナンバーがついています。固有の番号ですね。
ちゃんと数字が船体に書かれています。位置は、右側側面の、1列目の前のあたりに一つ、4列目の座席の後方の真ん中に一つ。
僕がいた頃は1〜69番までありました。

ただし、雑誌などのメディア向けの写真に写ったボートは、写真修正されてナンバーが消されています。
ボートは常に何台かがメンテナンスに出されているので、同時に使用することはありません。

そういえば、カリブの海賊のボートには、それぞれ固有の女性名がついていますよね。
カリブの海賊・入口を入ってすぐ目の前をボートが流れているけど、そこで各ボートの名前を確認することができます。キャサリンとかジョセフィーヌとか、そんな名前が英語で刻まれています。

スプラッシュ・マウンテンにはそのような人間の名前はついていません。ちょっとカリブの海賊が羨ましいですね。
ってほどでもないか(笑)。

参考までに、スプラッシュ・マウンテンのシステム上、水路に追加して使用できるボートの最大台数は62台です。これ以上ボートを水路に入れるとシステムがエラーを起こします。
(まあやらないけど。あと現実的に運営が成立しませんので62台は使いません)

運営上、最もバランスが取れている台数は、58台です。
通常は58台で運営していると思います。僕がいた頃はそうでした。

ただしお客様が減ってきて待ち時間が0分に近づくと、台数をどんどん減らしていきます。

最小台数は特に決まっていません。どこまででも減らせます。やろうと思えば、1台のみで運営もできますが……やりませんね、さすがに。

前方、先頭部分に、車のエンブレムみたいにウサギどんの人形がついています。これはただの飾りです。

丸太ボートのお値段はベンツ一台分だった

あ、それからお値段ですが。

スプラッシュ・マウンテンが建設された時〜オープン当初の、ライドのテスティング用に作成された初期のモデルは約1500万円したそうです。
当時のリードがよく、ベンツと同じ値段だよって言ってました。

オープニングキャスト達は、『こんなの』がベンツ一台と同じなの? って驚き、呆れていましたねぇ。

オープニングキャスト達はみんな、こんなボートいらないからベンツをくれよって、よく言ってました(笑)。くれるわけないだろうがっ!

たとえボートをもらえたとしても、どうやって持って帰るんだよって僕はツッコんでましたけど。

その後、量産型モデルになってからは、約600万円に下がったそうですよ。

丸太ボートの底には水抜き用の栓がある

水しぶきを1日中受けながら動いているため、どうしても座席の中に水がたまります。といっても大した量ではありませんが。

そのためか、船底には水抜きのための栓があります。

これはメンテさんが整備の時に使用するもので、僕ら運営部のキャストは触りません。

これを外せば水を抜けるのですが、ではこの栓をしめ忘れるとどうなるでしょう? 栓を外したままボートを巡航させると……

そう、水が入り込んできます。

ある日。
朝、パークがオープンしてまもなく、乗り場のキャストがボートの座席の下の方に、水が溜まっているのに気づきました。
その時は、何だか水が多いなと思っただけでしたが、しばらくしてまた同じボートを見た時、あれ? と気になったそうです。

座席の足元に水たまりができてる、と。

そう、明らかに水が増えていたんです。
少し水しぶきが入り込んだくらいでこんなに水が溜まるだろうかと思うほど。

そこでやっと発覚したというわけです。栓が外れてる、と。
このまま気付かなかったらおそらくどんどん水が入り込んできてまさかの沈没……。

といっても、そんなに早く沈没していくわけじゃないみたいです。
しばらくは大丈夫みたい。

こうやって思い出しながら書いていたら、もっとマニアックなことも思い出してしまった。
きりがないので、このへんでおしまいにします。

それではみなさん、さようなら〜!

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