スプラッシュマウンテンの安全バーについての、誰も知らない話

4 min
バー
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みなさんこんにちはー!
あっくんさんです。

今回は、スリルライド系アトラクションの座席に必ずついている、安全バーについてお話しましょう。
またまた、なんとマニアックな(笑)

こんなことを語るのは僕くらいのものですね……。
と言っても、ただ安全バーの説明をしても全然面白くないので、バーのロック・解除についてお話ししましょうか。こればっかりは、キャストをやったことがないと分かりませんからね。

「安全バー」というのはお客様向けの分かりやすい言い方であって、それぞれのアトラクションで違う呼び方をしています。セーフティバーとか、ただのバーとか、色々です。

キャスト用語だと、だいたいどこのアトラクションも共通で「ラップバー」と言います。
ラップって何だろ?とずっと思っていたんですが(知らなかった)、調べてみると、

LAP…ひざのこと

だそうです。
一昔前は、ノートパソコンのことをラップトップPCと呼んでいましたね。あれはひざ(ふともも)の上に乗せられるコンピュータという意味です。
参考までに、トヨタなどの自動車メーカーの座席の固定器具として用いられる専門用語でもあるみたいです。

そうか、あれってひざを固定する器具だったんだ。てっきりお腹か腰(ウエスト)を押さえつけるんだと思ってた。
具体的には、腿(もも)の上を固定するようですよ。

というわけで、僕が知っている3大マウンテンの、バーのお話をしていきましょう。
僕が退職してかなりたちますが、乗り物の構造や設備自体はほぼ変わらないはずなので、今でも通用する内容かと思います。

それでは、出発でーす!

このブログは、昔の僕の経験を元に執筆しています。そのため現在は内容が異なる場合がありますのでご了承下さいね!

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スプラッシュマウンテンは、降りる際に自動で安全バーが解除される

スミマセン、画像を拝借しました。(うおお、ストレージ懐かしや。そっちの話も書きたいですね)

僕が現役でやっていた頃と今とでは、大きく変更された点があります。

今のスプラッシュマウンテンの安全バーは、一つの座席に2人がけとなっていて、バーが2つあります。

昔は一つの座席にバーが一つでした。二人がけの席に一つのバーを下げるので、片方の方がお腹が大きいと他方の方はスカスカになりました。

よくあるパターンは、お腹の大きなお父さんと小さいお子さんの二人が座る時。バーはお父さんに合わせて下げるので、お子さんの体の前は、ガバっと空間ができてしまいます。しかしこれ以上下げることはできませんので、そのままでした。

ちょっと怖い話ですが、小さいお子さんは常に落ち着きません。あれこれしようと動きます。時には座席の上で抜け出そうと動きます。
で、可動範囲が広くなりますから、乗船中に、立ち上がったり隣の大人の方へ行ったりボートのへりに伸びだしたりするんですね。

キャストは、それをモニターで監視していて見つけたりしますから、時には注意しなければなりません。
今の座席は、一人一本のバーがついていて、個別に体格に合わせて下げられるので、お子さんの体にも合わせることができていいですね。

ただ窮屈な感じはしますので、10分ちょっと固定されたままだと、お子さんもつらいでしょうけど。

オリエンタルランド社のサイトにも掲載されていました。

バーは、降りる際に解除されます。
スプラッシュマウンテンでは、バーを下げるのは人(キャストまたはゲスト自身)です。

降りるときの解除は自動で行います。
ボートは自動で動いています。降りる際は、きちんと止まる位置が定まっていて、そこに停止した時は自動で解除され、はね上がります。

その際「ガコン!」と音がします。あれは、水路の岸の部分に解除装置があって、金属棒が突き出てボートの側面の部品を押し込みます。するとバーが上がります。

いったん下げたバーを再び解除したい場合は、乗り場と降り場のコンソールにボタンがあります。キャストがコンソールのボタンを押して解除します。

ただし全席のバーが解除されてしまうため、再度下げ直してもらう必要があります。

ボタン操作で解除できない場合、特殊な道具を使う

乗り物には「定位置」があります。自動で停止する場所のことですね。主に、乗り降りする位置を指します。

定位置からちょっとでもずれて止まった時は装置が作動しません。
その際は鉄の棒(レンチ)を使って解除します。
ボートの後方に小さな穴が空いていて、中の浅い位置にボルトが付いているんですが、それをひねるとバーが手動で解除できます。

いい動画がありましたねー(笑)

こらっ、レンチを使うときは4列目のゲストの頭に当たらないように気をつけなさいってあれほど……
失礼しました(笑)

レンチは長さが1.2〜3メートルくらいの棒で、先が曲がっています。先端部分がボルトを締められるような形状になっています。
乗り場や降り場、そしてアトラクション内部の各所に用意してあります。

僕がウィキペディアのバーについての記述を読んで、疑わしいと感じる箇所

ウィキペディアは何でも書いてあるけど、正直言ってちょっと疑わしい部分もあります。

でもその一方で、一体どこから調べてきたんだってくらい詳細な箇所もあるんですが。

項目:各施設の紹介→東京ディズニーランド→他のパークと異なる点

ここから引用しましょう。

以前まではボートの安全バーは2人で1つの長いタイプのバーを使用していたが、シングルライダー導入をきっかけに1人1つの短い安全バーとなった。

とあります。
しかーし!
これを読んで、僕はちょっとおかしいぞ、と思いました。だってその直前で、

TDL内で シングルライダーに対応している2アトラクションのうちの1つ(もう1つは ビッグサンダー・マウンテン)。

ってありますよね。

スプラッシュでシングルライダーが開始されたのが、僕が退職した翌々月だったんです(辞めてから参加したスプラッシュマウンテンの忘年会の際に、シングルライダーが始まりましたよ、と後輩達から聞かされたのではっきり覚えている)。2005年12月のことです。

バーが一人一つになった正確な年代は知らないけど、かなり後になってからですよね(たぶん)。

それに、シングルライダーがきっかけなら、なんでスペースマウンテンはシングルライダーをやってないの? と思うわけです。
と思ってたら、ビッグサンダーマウンテンでシングルライダーが試験導入されたのが2019年とありますね。そんな最近だったのか。ビッグサンダーマウンテンのバーはいまだに、2人がけ座席で1本のまま。

なぜビッグサンダーは、シングルライダーがきっかけでバーを変更しないの?
理由は分かりませんが、ひとまず予算の都合ということにしておきましょうか(笑)。

だいたいこういうサービスの導入は、責任者が話し合ってやるか否かを決めるものだから、おそらく反対意見が多かったんでしょう。

もしバーが解除不能になったら?

機械は、いつかは壊れるもの。
ごくごくまれにですが、バーは壊れることがあります。

仕方ないことですね。すぐ直せるものではないため、壊れたらそのボートは使いません。ストレージに引き込んで、代わりのボートを出します。そのような事態に備えて予備のボートを用意しています。

内部の部品が破損して、上がらなくなる、下がらなくなる。
下がらないはほとんどなかったかな。上がらなくなるのは何度かありますね。

超超(超を20個つけたいくらいの)レアな経験としては、降り場でバーが壊れてバーが上がらなかったことがありました。

その座席だけバーが上がらない。若い女の子が2人座ってたんですけど。
僕が降り場にいた時に起きたので、そのバーを解除しようとあれこれ試したんですが、バーがびくともしない。

そこで、彼女たちに体をひねって、何とか抜け出てもらおうとしたんですが、やっぱり無理で。

仕方ないので、リード判断で、ストレージ(格納庫)へボートごと入って、そこでメンテさんを呼んで、ボートの部品を破壊してもらい、ようやく脱出できたことがありました。

僕のキャスト経験史上、最もレアな体験ランキングを挙げるとしたら、この時の体験はベスト3に入るくらい超々々々々々々々々っ、レアでしたね。

そのスゴさを正確にお伝えできないのが、とっっても残念です。

ああっ、本当は3大マウンテンをまとめて書こうとしたのに、スプラッシュマウンテンだけで終わってしまった(泣)

というわけで、お次の回は、残りの2つのマウンテンのバーについてご紹介します。

今回はこのへんで。

それではみなさん、さようならー!

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あっくんさん

あっくんさん

元TDLにてアトラクションキャスト勤務を経験した十数年間を回想する場。このブログはそんな僕の、やすらぎの郷でございます(笑)。

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