みなさんこんにちはー!
あっくんさんです。
相変わらず、パークに行かずにパークを語る不届者です(笑)
なので、懲りもせず、また昔ばなしをしましょうかねー。
アトラクションと言えば!
そう、待ち時間ですよね。
よくも悪くも、アトラクションって待ち時間がかかります。
待っている時間は短い方がいいけど、人気があるアトラクションならそうもいきませんね。みんなが利用したい施設は当然、混みます。
ところで。
アトラクションの待ち時間って、そもそもどうやって決めるんだろう?と思った方、いませんか?
思わないって?
じゃあいいです…
で、終わらせるのもなんなので、お話します(笑)
当たり前のように、アトラクションの入口には、看板で待ち時間が表示されています。
大体5分単位で表示されていますよね。
ホーンテッド・マンションの4分、9分、13分とかはさておいて。
(あれ、僕がやっていた2003年ごろに流行り始めたんだよな…)
一番最初は、どうやって決めたのか。
誰かが並んで測ったの?
でもキャストが並んでるところなんて、見たことないし…
それに、一番最初に待ち時間を出す時、どういう基準で決めたんだろう?
って、不思議に思いませんか?
ふふふ、僕がお答えしましょうか。
もちろん、内緒にしておいてくださいね。
それではみなさん、ただいまの待ち時間は……
8分で〜す!
???
目次
方法1:列を作るスペースを設定し、その面積によって決める
まず、一番最初に待ち時間を決めるのは、そのアトラクションができた時(運営開始時)ですね。
どこまで並んだら(列の長さがどのくらいあったら)、何分にしよう。
と、決める基準があります。
実際にはアトラクションの設計段階で、ある程度の待ち時間分の列を収容できるように計画します。
つまり、列を作る場所を先に確保するんですね。
アトラクションの施設って、作る時にどのくらい列ができるかを想定して、並べるように位置を決めるんです。
たとえば。
僕がオープニングキャストだったスプラッシュ・マウンテン。よく見ると、建屋の入口がクリッターカントリーの奥の方にあります。
もっと手前の方に入口を作ればいいのに…って思いませんか?
もっと手前にあれば、すぐに乗り場へ行けるのに。なんでわざわざ奥の方に入口を置いて、お客さんを余計に歩かせるんだろう?って。
理由があります。
それは、並ぶ列を配置できるようにするため、なんですね。
そもそもクリッターカントリーはあまり広くありません。そして当時のスプラッシュ・マウンテンは、オープンしたら、最初から長い列ができることが分かっています。
なのに、もし手前に入口があったら?
オープンした途端、すごい列が伸びて、その整理が大変になることは予想がつきます。
長い列が延々と続き、通行人や他の施設を使いたい人達にとって、その列がとても邪魔な存在になります。
それと、もっと深刻な理由。
列が長くなると、案内が困難になり、ゲストにとって不都合な状態になります。
もしあなたが、新アトラクションに乗りたくて入口へやって来たとします。
でもそこには長〜い列ができていて、最後尾はずーっとこの先です、って言われたら?
面倒だけど、その列をたどって、最後尾まで向かわないといけない。
めんどくさくないですか?
しかも分かっていれば、最初からそこへ向かったのに。
残念ですが、列の最後尾の正確な位置を、園内にいる方々へ知らせる手段はありません。
待ち時間はスマホに表示できても、今の技術では最後尾まで知らせる方法はないのです。
そこで、一番奥に入口を置くことで、並ぶ場所を手前に確保します。
入口の手前に折りたたんだ列ができていれば、
「うわー、すっごい混んでる〜!」
と、気づきます。
ここに並ばなきゃいけないんだ…。
と一発で分かりますよね。
ビッグサンダー・マウンテンも、入口の正面に広いスペースがあって、きちんと列を作る空間を確保しています。
スペース・マウンテンは、周囲が開放的に配置されているため、列を逃すスペースがあるんですね。列が伸びたら、どっちの方角にも伸ばせるんです。
いや、その前に、エスカレーターの真下に90分ほどの人数が並べる空間があるので大丈夫ですけど。
長い列。
ファストパスができてからはあまり必要もなくなった概念ですが…。
今はコロナ渦で、逆に注目されているのはなんとも皮肉ですね。
おっと、待ち時間の話でした。
列を作る場所を確保したら、その面積から、大体何人くらい並べるかを、計算します。
どうやって計算するのでしょうか?
方法2:アトラクションの利用可能人数と、列の長さから計測する
では、どのくらいの空間を確保すればいいか。
実は列の長さ・キューエリアの広さには、目安があります。
人が列に並ぶ際にどのくらい面積を占有するか、です。
それは、約1平方メートルに大人3人で計算します。
1メートル平方のスペースに、大体大人が3人くらい並ぶという想定です。
列の長さは、アトラクションが一時間に何人くらい乗れるか、にもよります。
アトラクション自体の利用人数は、システム的に設定されています。
1台の乗り物に何人乗れるか。
何秒に1回、出発するのか。
これから、一時間に何人くらい乗れるか、が算出できます。
大まかに言うと、3大マウンテンはざっくり言って、実質的には一時間に1900〜2000人が乗れます。
(時代によって異なるし、キャストのスキルによっても差が出る)
それにより、1時間あたりの人数からどのくらい並ぶのか、何分間相当の人を収容できるのかが決定します。
もし待ち時間で、2時間分を収容しようとすると、約4000人が収まるスペースが必要です。
1平方メートルで大人3人が並ぶとすると、
4000÷3=約1333平方メートル
が必要です。
これ、めっちゃ広いです。ていうか、そんな面積を確保するの、無理です…。
スプラッシュ・マウンテンがオープンする前に、僕らに告知されていたキュー(列)の長さは。
屋内と屋外のクリッターカントリー入口までいっぱいに並ばせても、90分間ぶんしか並べないという計算でした。
90分待ちを超える人が並ぼうとしたら?
さらに追加して、クリッターカントリーの外に列を作っていたのですね。
こんな感じで、ウエスタンランドに列を作っていました。
(手前の(写真下の方)区画にも列がびっしりできていましたが省略)
実際に運営が開始されて、本物のゲストに並んでもらったら、実際の待ち時間はもっと短いことが判明したのですが。
たとえば先の、クリッターカントリー入口までびっしり並んだ場合。
この写真の、手前の列を除いた状態で、僕の背後にあるキューエリア内にいっぱいに並んでもらって90分の設定だったのが、一番最初の時。
でも実際に並んでもらうと、もっと早く乗れるぞ、ということが判明し。
85分設定に変更されました。
少しして、さらに5分減らそうと言うことになり、80分待ちに。
その後、僕らのスキルが向上したのもあり、さらに減らして75分で設定することにしたんですね。
こうやって、待ち時間は逐次修正し、精度を高めていきます。
待ち時間はファストパスが導入されてから、さらに計測方法が複雑化してややこしいことになっていくのですが、それはまた別の話。
現実:実際は、待ち時間調査を行って決める
さらに。
理論的に考えて大体このくらいだろうと言う予測は立ちますが。
実際は全然違ーう!ってこともあるあるなんですよね。
そこで!
やっぱり、待ち時間は実際に並ばないと、分からない!
これが結論です。
そこで、並びます。
いえ、キャストは並びません(笑)
過去に、わざわざ並んでみて計測したこともあったのですが……無駄だと分かったので、そのやり方は廃止されました(笑)
じゃあ、どうするかって?
じゃじゃーん!
そこで登場するのがこちら。
待ち時間調査カードです。
なぜ持ってるかってツッコミはご遠慮下さい(笑)
これを配って、お客さんに並んでもらい、実際に並んだ時間を計測するんです。
繁忙期になると、よくこれを配って、ゲストに強力してもらったものです。
僕も、何百枚と配りました(笑)
待ち時間調査を実施するときは、短時間に何枚か配ります。
これ、ゲストにはあくまで協力していただく形ですので、強制力はありません。
だから、返却してくれない場合もあります(泣)
せっかく配っても、乗り終わって出口を出てから、
「あ、すみません、これ」
と返してくれたりして。
出口でもらっても意味がないんですよね…(泣)
そうやって計測して、実際はどのくらい並んでいるんだろう?と調べるわけです。
あ、ちなみに。
カードを渡す時のコツは、
この人ならきちんと返してくれそうだな、という人に渡します。
いい加減そうな人(出口まですっかり忘れそうな人)には渡しません(笑)
チャラいお兄さんには渡さないですよ。
……とか言いつつも、僕が乗り場ポジションにいた時。
失礼な言い方をすると、ちょっとガラの悪そうなヤンキーの兄ちゃんがきちんとカードを返してくれたりして。
(誰が渡したんだ、この人に……苦笑)
と思うと同時に、僕も人を見る目がないな、と反省したものです…。
★
ところで。
最近、こんなツイートを見ました。
ミント☆@_choko_mint_さんのツイート。
おお、最近はバーコード処理で計測してるんかー!(衝撃)
と、びっくりすると同時に、
キャスト向けのツールにもお金をかけてるんだな、と、オリエンタルランド社の変わりように、ちょっと目を細めたりして。
昔はマンパワー依存オンリーで、バリバリのブラック体質だったもんなー(懐かし)
遠い昔の話になりました。
★
みなさんも待ち時間の調査を頼まれたら。
ぜひ、協力してあげて下さい。
それが、正確な待ち時間表示の、精度向上につながりますので。
ゲストのみなさんにも、恩恵がありますからねー。
それではみなさん、さようならー!