みなさんこんにちはー! あっくんさんです。
今回は、リハブについてお話しましょう!
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リハブとは改修工事期間のことで、どの施設でも、だいたい年に一回行われています。
改修工事が必要ない施設は別として、アトラクションは常に動き続けているため定期的に点検が必要になります。
この期間、アトラクションは完全にお休みに入ります。
普段、閉園後から開園前に行っているメンテナンス作業では対処できないような、大がかりな改修を行います。
たとえば僕がいた蒸気船マークトウェイン号だと、年によっては船の甲板(床板)を張り替えたりします。(毎年ではないようです。)
床は板張りで年中風雨にさらされているので傷むんですよね。壁との境目とか隅っこの方はちょっと腐食していたりするので、やはり張り替えは必要なのです。
リハブが終わってピカピカの床に張り替えられた船に乗ると、真新しい木材の匂いが漂っていたりします。
匂いは数日間でほとんど消えてしまうんですが、蒸気船マークトウェイン号のリハブ明けはぜひオススメしますよー。
スプラッシュ・マウンテンは、毎回ライドシステムの総点検を行ないます。毎日休まず、十数時間動き続けている機械ですから、改修と点検は避けられません。
また、年によっては何かしら新しい設備が追加されることもあります。
僕が体験した中では、手すりの形状が変わったりとか(運営側からの要望で実現した)、ファストパス用の設備追加工事が行われたりとかがありました。
さて、次は運営側のお話です。
施設の方はメンテさんに任せ、僕らアトラクション運営側としては、キャストがどうなるかをご紹介します。
目次
リハブ期間中は基本、施設の中には入れない
基本、勤務がありませんので施設内には入れません。
わざわざ様子を見に来たりはできません。当たり前ですね。
通常、リハブ中のアトラクション内は立ち入り禁止になります。足場を組んだり始終作業員が慌ただしく出入りします。作業期間中はヘルメット着用必須だし。
スプラッシュ・マウンテンは水路の水もないので、空っぽです。
ある年に、リハブ終了間際の作業が完了した頃を見計らって、トレーナーだけで内部の様子を見に行ったりしたこともあります。他に用事があって、ついでに勤務で行ったんですけどね。あの時はサイクリング要員(システムのテストのため)でだったかな。
普段は歩けない水路の底を歩いてみたり、運営中も開園前・閉園後も絶対乗れないコンベア(ボートが斜面を上がっていく部分)の上を歩いたり。やりたい放題ですね(笑)。
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ある年のリハブ中、メンテさんのお手伝いをする勤務をしたことがありまして。
館内に入る際にはヘルメットをかぶって作業に入りました。
まるでスプラッシュのオープニング前みたい、と思い出したりして。懐かしかったな。
リハブ中の勤務は別のアトラクションへ行けることもある
基本、リハブ期間は勤務がありません。
そこで、キャスト達には事前にアンケートをつのり、勤務と休み、どちらを希望するかを選びます。
休みを希望したら、全部休みになります。
勤務を希望したら、何かしら仕事をもらえます。ただし! 何になるかが問題ですよね。
残念ながら、何をしたいかの希望は叶えてくれません。ここはちょっと博打的要素があります。自分がやりたくない仕事をさせられる可能性は十分にあるので。
勤務を希望した場合で、一部の人が別のアトラクションに行ける場合があります。
アトラクションかそれ以外か。
その時期に行われているイベントの、ゲスコン(場内整理等)などに回されることもあります。
何になるかは希望してみないと分からない、というのが正直なところ。もちろんリードが話し合って決めます。
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また、どこにも行かない場合もあります。自分のロケーション(職場)で勤務することがありました。
大昔の話ですが、スプラッシュの最初のリハブは、オープンした翌々年(94年)に行われました。
オープンした翌年は人気があり過ぎて休止できなかったようです。
そのリハブも、期間はわずか2週間だったと覚えています。
当初、リハブ期間中はただ壁で囲んであるのみで、特に案内キャストはつけない予定でした。
ところが、いざリハブに入ってみるとクレームが殺到。
スプラッシュ・マウンテンがやっていないと知ったお客様が大勢やって来て、周辺のキャストに文句を言ったそうです。
やっていないなら先に言え、というわけです。
(TDL正面入口手前の看板には記載してあったはずですけど、そんなの誰も見ませんよね……)
しかも肝心のスプラッシュ・マウンテンのキャストは誰もいない。そこで近隣施設のキャストが僕らの代わりに文句を言われたという。
周囲の施設のキャストもいい迷惑ですよね。
そこで急遽、スプラッシュのキャストを立たせることになりました。
僕もやりました。昼間はけっこうゲストがクリッターカントリーにやってくるのですね。
クリッターカントリーの入口や、またアトラクション入口近くにキャストが何人か立って、本日はお休みでーす、と告知し続けました。
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リハブ期間が終わりに近づくと、今度はライドのテスト稼働のための人員が必要になってくるので、数人が勤務に入ります。
もちろんスプラッシュのコスチュームを着ての勤務です。
ライドシステムのテスト走行のために、人が必要になるんですね。
アトラクションを通常に動かすためには人間がいないとできません。一日中動かすわけでなく、しばらく動かしたら止めて、また動かすの繰り返し。
合間は外に出てゲスコン。お休みの告知です。
リハブの期間、タイミングは大体決まっている
今年、2019年の春〜夏にかけて、スプラッシュ・マウンテンで大規模なリハブがありましたね。僕が現役時にはこれほど長期のリハブはなかったので、特別な改修をしたのでしょう。
そう言えば、ファストパスの新システムが導入されたのでしたね。
必要があって行うリハブではありますが、その期間は大体決まっています。
スプラッシュはあまり期間を取れず、短いと2週間程度、長くても3週間くらいでした。
昔(1997年だったかな?)、ビッグサンダー・マウンテンで3ヶ月間のリハブがありました。
その時は山全体を塗り直すために行われました。スプラッシュもそのくらい大がかりな改修を行ったのでしょう。
概ね、人気アトラクションは閑散期に行うのが通例で、スプラッシュなら2月や6月です。ビッグサンダーは11月とか1月、スペースマウンテンはほぼ1〜2月で固定されていたような。
リハブ期間中に他のアトラクションへ行くにしても、スプラッシュはリハブが短いのであまり他へ行っても勤務できる日数があまり取れないんですよね。
トレーニングが終わったと思ったら、もうリハブが終わり、元のアトラクションに戻らなきゃならない。
全然慣れていないのにもう戻るのか、とちょっと残念に思ったりしました。
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今回はこれでおしまい。
また思い出したら、ご紹介します!