役者は偉大なるフリーターだ

最近よく考えることを、書いてみました。

役者は、一作一作が勝負だ

映画にしてもテレビドラマにしても、そのつど最高の演技を見せないと次の仕事が来ない。来ても評価が下がる。

今来るオファーを最高のクオリティで仕事すれば評価が上がる。そして次の仕事につながる。次ももっといい仕事をすればさらに評価が上がる。好循環が生まれどんどん成長していける。そしてさらに難しい役柄も依頼される。そこでたとえ失敗しても実績として積み上がるので、次につながる。
ただしいい加減にこなしたり評価が低いとそれだけの役者だと評価されてそれ以上の仕事はこないし次も一緒にやろうという話も減ってくる。
だから全ての注文をその時の全力でこなさなければならない。今やってくる注文こそが自分の評価の結果だから。
最初は大した注文も来ない。ラッキーな人はいきなり大役をもらえるが、そこできっちり成果を出さないと徐々に評価が下がり、やがてランクを下げた仕事になってしまうか仕事自体が減る。

これって何かに似てると思ったら、フリーターと同じだ。
要するに非正規雇用だ。成果を出さなかったからと言って解雇されるわけではない正規雇用と違い、一つ一つの仕事に自分の全てがかかっている。

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役者は将来が安定しない、だからこそ今を真剣に演じる

もっと大きなスケールで組織全体を俯瞰すれば、実は会社もまた一つ一つの仕事に全力で向かわないと業績が落ちて会社が縮小せざるを得ない。国家だって数十年〜世紀単位で眺めれば、社会問題を放置し放漫経営を続けた結果、国力が低下しやがて役人の規模も縮小せざるを得ず自分達の食い扶持も減っていく。

大きなサイズで眺める視点を忘れると自分の給与明細しか見えないけど、結局はどんなスケールに拡大縮小しても同じ法則が働いている。

だとしたら、企業も国家も原則フリーターと同じルールで活動していると言えないか。

話を役者の仕事に戻して。映画だと一作一作単位で制作の企画が立ち上がり予算がつきキャスティングが行われ役者が依頼を受けて正式に参加が決定する。そして撮影が行われて配給、公開となる。一連の流れが作品ごとに行われ、始まっては終わり、また新しい企画が始まっては終わる。その繰り返しだ。
テレビドラマだってほぼ同じで、企画が立ち上がってキャスティング、撮影、放送をへて成果を見てもらう。高い評価を与えられればそれが自分のブランド価値を押し上げる。
さらに好循環は続いていく、というわけだ。

作品が好評なら続編が企画されるかもしれない。シリーズ化されて何作も作られることもある。人気の要因は様々だが、仕事が続くのは出演者にとってはありがたいことだ。仕事が増えるのは何にも増してありがたいし、自分の評価につながるし実績が増えるし名前も売れるしでいい事ずくめだ。知名度が増えればその分オファーだって増えるし可能性も広がる。
こう考えると、今目の前にある仕事を全力でこなしていくのが最も理にかなった自己ブランドの構築に欠かせない要素だと分かる。

そしていつか本気出す、という考え方がいかに無価値かも分かる。いつかとは具体的にいつの時点を言うのか分からないし、その時が来ても(到来したことが自覚できたとしても)果たして全力の本気が出せるのか不明だしそれが本気と言えるのかも自分で理解できないのでは。

これは自分の経験からも実感できる。

僕もいつか実力が身についたらやろうとしていたことがいくつもあるけど、その将来のいつかが未だに分からないままだ。分からないからいつ本気出していいのか分からずに放置されている企画が山のようにあります。

役者に限らず、誰もが今を全力で立ち向かうのが最善策

そんなものでしょうね、結局は。大事なのは今なんですよ、今。

どんな名優も作品単位で仕事を受ける。
プロ野球選手みたいに7年10億円契約などしたら大変でしょう、期限内に可能な限り出演させ役者を使い倒すブラック事務所が現れそうだし。

だからこそ一作一作を真剣に全力でやって行く。次で本気出そうなんて考えていたら適当になりますよ、仕事が。そんな人とは二度と一緒にやりたくないと監督も思うでしょうね。

もちろん事務所に強いられて好きでもない仕事をやらされている人もいるだろうし、たまたま事務所側の都合などでお付き合い仕事をせざるを得ない場合もあるでしょう。好きな仕事だけやってればいい人なんてまずいないし、選り好みしていたらどこかで行き詰まり進む道を見失うに違いないです。

でもそこで腐らずにやり遂げれば何らかの実績は積み重なり、それがその人の経験値として備わる。
たとえ作品自体が失敗作に終わったとしても、個々の演技は必ず評価されるし光るものがあれば、それを見た観客は深く記憶に刻まれる。そしてまたこの人の演技を見たいと思うはずだ。

仕事によっては雇用が安定しているからこそ将来に不安を感じずに落ち着いて仕事に励める、と言う考え方もある。

でも、安定して働ける仕事って何だろう。安定している仕事?ずっと続いていく仕事なんて今どきあるんだろうか。

それ、AIや自動化の波に襲われて、遅かれ早かれそう遠くない将来に消滅する仕事じゃないのかな。

今安心して続けられる仕事って、そう思いたい人がすがりついているだけじゃないかと。
話がそれたけど、将来の自分は今の時分が作るんだよね。

だから役者も、今この瞬間を全力で演じる人だけが、将来も生き残るんだ。

とあるドラマを見ていて、そう感じました。

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