もし自分の仕事をお客さんから冷やかされたら、どうする?【シンデレラ城ミステリーツアーでの話】

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お城の画像

みなさんこんにちはー!
あっくんさんです。

今回はちょっと趣向を変えて、思い出話をします。
いつも思い出話だけど…(笑)

ちょっと思い出したことがあるんですよ。

昔々、大昔。
僕のキャスト歴で言うと、晩年に近い頃のことなんだけど。
シンデレラ城ミステリーツアーという、お城の中を歩いて進むアトラクションがあったんです。

ミステリーツアーは、キャストがお城の騎士という設定です。

ストーリーは、
ガイドがお城の中を普通に紹介して回る予定だったところ、魔法の鏡の手引で地下へ入る隠し扉が開き、中へ入っていきます。

そして、色んな発見をしていきます。
お城の地下に眠っていた伝説のドラゴンを発見したり、タピストリ(壁にかけられた織物)に刻まれた英雄伝説などを見て回った後で、悪魔の大釜から目覚めたラスボス、ブラックコルドロンを退治して無事、脱出することに成功するというお話。
(こんな感じだったと思いますが、違ってたらごめんなさい)

残念ながら、今はありません。

ミステリーツアーのガイドをやっていたとき、ある男の子が・・・

僕は超短期間だけど、お城の騎士をやったことがあります。

ある日のツアーガイドを務めたとき。

そのツアーの中に、小学生の男の子がいました。
4年か5年生くらい。

別に珍しくもないので、特に気にしてはいませんでした。

 

ツアーは、地下のダンジョンを抜けると、やがてお城の上の方へ向かいます。

ツアーの中には、何度も来てくれる人がけっこういます。

内容は全部知っているんですね、そういう人は。

その子は、
次はこうなるよ、こんなのが出てくるよ、と一緒にいたお母さんらしき人に説明しています。

お話を説明しているだけならいいんですが、その子は先回りして話します。
この先何があるよ、とバラしちゃうんですね。

もちろん、他のゲストのみなさんにも聞こえてしまいます。

初めて体験する人にとっては、ネタバレですからね。正直ありがたくない状況です。

  

ツアーは、最後の戦いが待っている直前の部屋まで来ました。
ご存知の方は、勇者を選ぶ部屋、と言えば分かるかもしれませんね。

その部屋で、ガイドは一人の勇者を選びます。

選ぶ前に、説明をします。

これから戦いが待っていると。
ラスボスと対決しなければならないことを、伝えるんです。

この場面って、力説しなきゃいけないんですよ。

なぜって、これからブラックコルドロンと戦わなければいけない。

みなさんの中に、私と一緒に戦ってくれる勇者はいませんか? とツアーの参加者に問いかける。

だから、ここは適当に流す場所ではないんです。
これから、最も盛り上がるシーンへ向かう直前の段階です。

そんな時、
僕の近くにいた、あの男の子が言ったんです。

「よくやるよ。マジメだよね」

どうやら僕のことを言っているようです。

さて、これを聞いて(もちろん僕はガイドの最中なので何も反応できません)、僕はどう感じたでしょうか。

 

 

僕は、

これはいい機会だぞ!

と思いました。
何がかって?

これこそ、キャストの面目躍如たる機会なんです。

どうしてかって?

この場の雰囲気を吹き飛ばすのは、誰でもない、僕自身だったからです。

その場を引率するのは他ならぬ、ガイドの僕。
このツアーをうまく乗せるのも、沈没させるのも僕自身。
だから、ここはもっと盛り上げないといけない。

ところで、ガイドは決められた通りのナレーションで、決められた演出で行います。
自分オリジナルのショーは、できません。限られた条件の中で、ベストを尽くします。

だからこそ。
今ここを良くするのも、悪くするのも、自分なのだ。

それを、ゲストへ伝えないといけない。言い訳ではなく、そこにいてできることを全力でやる。
これぞ、キャストの醍醐味です。

熱意を込めて、ガイドをやってやりました。

冷やかしのヤジを飛ばした彼を吹き飛ばすような、呆れるくらいの熱意を乗せるんです。

すると不思議なことに、否定的な言葉はなりを潜めます。
そういうムードに持っていくということですね。

これ、上手とか下手とか、関係ありません。

ただ、やたらと気合いが入っているだけです(笑)
それなのに、勢いは技量の不足も薄めます。勢いの中に埋没してしまうんです。

だから、思いっきりやるって、とっても大事なんです。

下手だったらなおさら。
みなさんも、反対意見や否定的感想には、勢いや気合いをぶつけてみてください。

冷やかす人を、思わず引かせるほどの気合を込めるのです。

 

冷やかす人は、本当は自分も何か夢中でやりたいことがあるのに、それを邪魔されたり否定されたことがある人なんですよ。

そんな自分を守るために、思わず他人を否定して、自分と同類に扱おうとする。
否定されるのは自分だけじゃない。他にもいる、と。

冷やかしは成功への嫉妬と自己弁護から発する。
だったら、自分はそれをさらに否定すればいいんです。
思いっきりやると、何か変わるかもよ、と。

きっと、何かが起きますよ。

 

今回は、突然思い出したことを、記事にしてみました。

また何か思い出したら、書いてみますね。

それではみなさん、ひとまずさようなら。

あっくんさん

あっくんさん

元TDLにてアトラクションキャスト勤務を経験した十数年間を回想する場。このブログはそんな僕の、やすらぎの郷でございます(笑)。

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