前回のつづき。
テストトリップが終了し、今日のオープン(早番)キャストが出勤してきた。
僕らトレーニング組を除けば、キャストは全部で4名。
船内のポジション2名、船着場2名。
ブレーカーはまだ来ない。この後出勤してくるのだ。
開園前のブリーフィング。
リードのヨコさんから周知事項があり、そしてトレーニング初日の僕のご挨拶。
この時のメンバーは忘れてしまった。
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パークがオープンした。
春休みで、しかもまだ3月。一年で最もゲストが訪れるのが春休みだ。
案の定、時間が過ぎるうちに、どんどん園内はゲストが増えてくるのが分かった。
僕はM氏に言われるがまま、マークトウェイン号のキャストとしての基礎を叩き込まれた。
詳細はこちら。
目次
妙に沈黙に包まれた、初めてのブレイク
いくつかのポジションに入ってみて、オペレーション(実際の作業)を行う。
ローテーションの順番どおり、ゲスコン、チケット(乗り場入口)、ドック(船着場)とやっていく。
各ポジションをまずM氏がやってみせて、次に僕がやってみる。
何となくできたような、慣れない状態で切り上げる。
最初の小休憩(ブレイク)だ。
休憩を取る休憩所をブレイクエリアという。
マークトウェイン号キャストは、ピーターパン裏ブレイクエリアへ行く。
ファンタジーランドにあるけど、ここが最も近いのだ。
M氏と僕、そしてヨコさんが一緒に行った。
ブレイクエリアはローテーブルと長椅子が並んでいた。
M氏とヨコさんはタバコを吸う。僕は吸わないので、確かコーヒーでも買って飲んだ。
向かいに座ったヨコさんは、一言も喋らず、ひたすらタバコを吸っていた。
ずっとしかめっ面である。
M氏も特に喋るわけでもなく、同じくタバコに集中している感じだ。
沈黙が支配していた。
まずいな。
やっぱり、僕が遅刻したので機嫌を損ねているのだろうか……。
気まずい空気の中で、僕はひたすらコーヒーを飲む(笑)。
★
戻って他のポジションをやっていく。
トレーニングはOJTと言い、今ではどこの接客サービスでもやっていますね。
On the Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)ですね。
簡単に言うと、やりながら覚えるということ。
各ポジションには通常業務を行うキャストがいて、
①説明を受ける
②トレーナーが代わりに入ってやってみせる
③教わる方、トレーニーが入ってやってみる
の順番で行う。
初めてやったので、それこそ必死だったと思う。どんな感じだったか全く覚えていない。
まともにできたかな?
うーん、覚えていない。
昼休憩をはさみ、残りのポジションを行う。
そして初日は終了。
終わってどんな感じだったか、まるで記憶になし。
縁起でもない、キャストがクビになった話
2日目。
トレーニングの内容はさておき。
昼休憩。
お昼はワードローブビルまで戻り、従業員食堂へ。
僕とM氏、それとたまたま席で出くわした、トムソーヤ島いかだのトレーナーのKさんが先に来ていて、同席した。
M氏はいかだのキャスト経験もあるので、彼女とは旧知の仲だ。
当時のアメリカ河のアトラクションで女性キャストが勤務していたのはいかだのみで、カヌーはもちろん、マークトウェイン号も全員男性キャスト。その中で珍しい女性のトレーナーだった。
食事中、Kさんが話し始めた。
「そう言えばこの間、笑っていいともに(シンデレラ城)ミステリー(ツアー)の子が出たんだって」
「へえ、そうなんだ」
とM氏。
「クビになったって」
「ふーん」
「ミステリーのスピールをやったらしくて、それがバレたから」
「あー、そりゃしょうがないね」
「タモリにやってって言われて、調子に乗ってやっちゃったみたいだよ」
縁起でもないな、と思った(笑)。
入って2日目の僕にとっては、あまり聞きたくない話だったな、という思い出。
僕も別の機会に、いいともを見ていてキャストが登場するのを何度か見たけど。
あの人もクビになったんだろうか。
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3日目は、何かあったかな。
思い出したら、追記します。