なぜTDRの駐車場は、斜めに駐車するの?

6 min
TDRパーキングの画像
スポンサードリンク

みなさんこんにちはー!
あっくんさんです。

いきなりですが、みなさんは車の運転、上手ですか?

僕は昔、朝6時出勤の時は車で通勤していました。スプラッシュの一番乗りシフトは、開園時間が8時の日は、朝6時からでして。(リードは5時半でしたけどね)朝がめっちゃつらかった思い出が(笑)。
この時間のシフトだと、電車通勤は始発に乗っても間に合わなかったのですね。

で、従業員用駐車場に止めるんですが、引いてある白線に曲がって止めるとチッ、下手くそと思うわけです。

なんのこっちゃですが、今回はTDRの駐車場の話です。

パークに車で来園される方は、料金所みたいなところ(トールゲート)から入り、車を止めて、それからパークへ入園しますよね。
駐車したら、心はすでにパーク内に向かっているでしょうから、駐車場そのものを観察している人はほとんどいないと思います。

でも! そこは東京ディズニーリゾート、さすがのこだわりが詰まっているんですよ。知ってるのと知らないのでは大変な違いがあるんです!

え、なんでそんなこと知ってるのかって? その理由は最後に明かします!

というわけで、今回は駐車場の秘密をご紹介しましょう!

それではみなさん、いってらっしゃーい!

みなさんはTDRへ、車で遊びに行ったことはありますか?
行ったことがある方は、ほとんどの方が、TDRの駐車場に車を停めたと思います。平面駐車か、立体か。どちらでもいいのですが、ちょっと風変わりですよね。
空から見てみましょうか。

分かりますか?
そう、なぜかTDRの駐車場は、斜めに停めるんですよね。
ほら。

ほらね。

ランドの立体も。

シーの立体も(屋上は全然駐車していないけど、斜めに線が引いてありますよね)。

ほらほらほら!

ほぅ〜ら!ほぅ〜ら!
クドい(笑)

これ、なんでだと思います?

スポンサードリンク

TDR駐車場の線が斜め60度に傾いている理由は、最も停めやすい角度だから

空から見れば一目瞭然ですが、駐車場の区切りの線が斜めになっています。

ちなみに、TDR周辺の、他の施設はどうでしょうか?
お隣のホテルの駐車場は、こんな感じ。

普通の駐車場と同じで、まっすぐですよね。スーパーやホームセンターなどの駐車場と同様、間の通路と直角に停める方式ですね。

なぜTDRだけは斜めに停めるんでしょう?
何となくオシャレだから?
見た目がキレイだから?

ブーッ!
ボーッと生きてんじゃ……(略)

あの斜めの線を、パーキングのキャストは、

斜角60度縦列駐車
と、呼んでいます。

その名の通り、60度の角度にナナメっているんですね。
なぜなのか。真っ直ぐにすれば、もっと駐車スペースが確保できるのでは? 事実、車列の端っこはスペースを余らせています。
TDRは駐車場がだだっ広いから、少しくらい無駄に使ってもかまわないって?
残念ながら、違います。

もちろん、ちゃんとした理由があります。

ところであなたは、車を駐車させるの、得意ですか? 自宅の駐車場でもいいし、スーパーとかホームセンターの駐車場に止める時とかに、スッと一発で止められますか?

話を戻して。
TDRには大勢のお客様がやってきます。今もそうだと思いますが、来園者の方へは、

「できるだけ公共交通機関を利用してお越しください」

と案内されていますよね。
駐車場は十分に用意されていますので、大勢の方々が車でやって来ても、十分対応はできるはずです。

ただし。
いくら十分な台数分の駐車場を確保していても、一斉に来られると対応しきれないんです。

特に、開園直後は、たくさんの車が一気に駐車場入口(トールゲート)へ押し寄せます。すると、どうなるか。

分かりますよね。
そう、大渋滞です。

駐車場では、料金所で駐車料金を支払って、中へ誘導されます。そして道の角々にキャストが立っていて、進むべき方向をご案内しています。

TDRの駐車場は、順序よく端から順番に埋めて行きます。基本的には、パークのメインエントランスから近い順に停められるように、案内されます。これは、早く来た人が入口に近い位置に停められるという、優先順位があるからです。せっかく早く来たのに遠い場所に誘導されたらイヤですもんね。

(ただ、立体駐車場に関しては、その限りではなかったと思います。確か真ん中の階を先に埋めて、それから上の階、下の階だったかな……忘れました)

で、早番のパーキングのキャストは、朝一番に一気に押し寄せる大量の車を、できるだけスムーズに駐車させるのが至上命令なんです。

とにかく大急ぎで中へ案内し、駐車させること。朝からどんどん車両がやって来ます。
もう、片っ端からじゃんじゃん入れ込んでいかないといけない。

ところであなたは、駐車は得意ですか?
っていい加減クドいですね(笑)

ここで、運転があまり得意でない人が遊びに来たところを想像してみて下さい。
もしTDRが普通の駐車場と同じ配列だったら?

駐車場に入り、目指す駐車スペースに狙いを定めて減速し、クルマのお尻をいい位置につけて停まり、バックでお尻から入っていく。一発でうまく入らなかったら、もう一度挑戦、いったんスペースから出て、再度ゆっくりバックして入っていく。

駐車するまでに何秒かかりました? 
10秒? それとも30秒?
それ以上?

……そんな悠長にやってる時間、ないんですよ!

今しも駐車場の外側には、早く入りたいと待ち望んでいるお客様の車がたぁ〜〜〜っくさん、やって来ています。

そんな時に、あなたの駐車テクニックを暖かく見守ってくれるような人は、いません。
みんな1秒でも早く車を止めて、早く園内に入って遊びたいんです。ショーやレストランの予約や、アトラクションのファストパスを取りたいんですよ。

しかし、車で来る人たちは、みんながみんな運転が上手い人ばかりじゃない。常に一発で駐車できる人たちばかりじゃないんです。
運転が上手な人、ヘタクソな人、いろんな人がやって来ます。

上手な人はいいですよ。スッとスムーズに停めてさっさと車を降りていくでしょうね。
でも、下手な人は? 何度も切り返して停めますか……?

いやいや。そんなことやってたら、大変なことになります。後方で待っている車が大渋滞を起こします。駐車場内が渋滞すれば料金所もストップ。その外側にも大渋滞。周辺道路もそのせいで大渋滞。
えらいことになります。舞浜近辺の道路が完全にマヒして機能しなくなる。

悠長に、切り返しなんかさせるわけにはいかないんですよ。

じゃあどうするか。
話は簡単。スムーズに停めさせるよう、工夫すればいいんです。

【斜角60度縦列駐車】はTDRの知恵が詰まった驚異の駐車場

ようやく本題に入ります。

『斜角60度縦列駐車』

図で説明します。
キャストに誘導されて走行してきた車両は、所定のラインへ誘導されます。自分の好きなところへ止めることはできません。順番に隙間なく詰めて停車するように、促されます。

さて、停車位置に誘導されると、目の前に斜めの線が見えてきます。まあ走っている時から斜線がずらりと並んでいるのが見えていますね。

指定の場所で、そのまま前進駐車を指示されます。頭から突っ込んで駐車します。
それぞれの線の間に目がけて止めますが、線は、普通車なら2台が縦に停められる長さです。

図A 順番に、2台ずつ駐車していく。

まず、頭から突っ込むので、バックが苦手な人も大丈夫
比較的正確に、線の間を狙って入っていけます。

最初に入る車は、もう一人のキャストに促されて奥まで進み、線の前方に停車。両脇の線を見ながらゆっくり前進していくので、運転が下手でもほとんどのドライバーが、キレイにピタッと停められます。

図B 斜めに進入するので操車がとてもカンタン。

そう、斜めだと、意外と駐車しやすいんですよ!

次の車は、そのすぐ後ろに停めるよう指示されます。(状況により違うこともあり)

これも簡単。前の車両に続いて、位置をそろえるように進んで入っていくから、狙った通りに駐車できる。
これで2台の駐車が完了。

さらに次の車両には、隣のラインへ入るよう指示。
この一連の車の動きを見てみると、いかにスムーズに次々と車が駐車していくのかを、観察することができます。
鮮やかなくらい、テキパキと次々と、車が駐車していきます。

そうやって、1列が埋まったら、次のアイル(斜線のひと塊分をアイルと呼ぶ)へ、素早く切り替えて案内します。
こういった一連の誘導を行い、キャスト達が鮮やかにさばいていくことで、膨大な台数の車両を、順次見事に駐車させて、入園時に発生する大渋滞を回避し、どんどん吸収していくのです。

つまり、60度に傾いた列こそが、高速駐車の秘密なんですね。

ちなみに、2台並べて駐車するのは、出るときのことも考えられています。
前方に停めた車は、出るときはそのまま前の道に出ればいい。
後ろに停めた車は、その際に前が空いていればそのまま前方の道へ出る。前の位置に車が残っていたら、ちょいとバックすれば後方(手前)の道へスイッと出られる。

これだと、出る時も超簡単
TDRの駐車場は、実に合理的に設計されているんです。

こうやって、細部に至るまで緻密に設計された駐車場のおかげで、どれほど大量の車が押し寄せても、ほぼ完璧に駐車場へ導き入れることが可能になっているんですねぇ〜。

恐るべし、TDR。
僕は最初にこの仕組みを知った時、めっちゃ感動しました。いやマジで、あなたにも感動して欲しいです。
ただ、鮮やかな高速駐車自体を目撃する機会は、あまりないですけどね。車を停めたら、みんな一目散にメインエントランスへ向かうでしょ?

さらにちなみに。
パーキングに全部の車両が入らなかったことってあるのか?
これは、「駐車場へ誘導するのが遅れてしまい、外で大渋滞を引き起こしたまま解消できなかったら?」という意味です。

駐車場の内部への誘導がヘタクソだったら? キャストが不慣れでモタモタしてしまい(または何らかのトラブルが発生し)全然車が中に入れ込めなかったら。
(そんなことは絶対に、何がなんでもさせないですけどね)

いくらこれからディズニーランドで遊ぶぞー! と気合いを入れてやって来ても、駐車場で一時間も二時間も待たされたら? 多くの車は入ることすらできずに、イライラが限界を超えたら…?

もう、遊びに行くのを諦めちゃうんです。
でも、それならまだマシな方かもしれません。最悪なのは、諦めきれずに…
そう!

路駐……するしか、ない

と、なった時です。

もし仮に、普段の舞浜周辺、特にランドやシーの周りの道路に、勝手に路駐するとします。
どうなると思います?

浦安市警察がすっ飛んで来ます(笑)
交通監視員も来るでしょうが、おそらく警察が来ます。
恐ろしいほど高速でやって来ますから!

あの辺の道路は、絶対に綺麗じゃなきゃダメですから。美観もありますし、何よりも治安維持が最重要。
もし暴走族なんかがやって来て、パラパラパラ〜なんて大音響を出して爆走を始めたら。警察のパトカーがすっ飛んで来て、あっという間に検挙されますからご注意下さいね(笑)

でも。でもですよ?
もし、TDRの駐車場が機能不全に陥ってしまい、駐車場へ車が入らなくなったら?
延々待たされた挙句、駐車できないゲストたちはどうするか。

もう、ブチ切れ
勝手に止めるっきゃない、となるでしょうね。

パークを取り巻く外周道路を埋め尽くすほど、大量の車が次々と路駐して行きます。
だってしょうがないじゃん、駐車できないんだもん! とばかりにブチ切れたゲスト達が、どんどん周囲の道路に止めて行きます。

こうなってしまうと、天下御免の浦安警察も手を出せません。数百台の車が一気に路駐し始めたら、もう手がつけられないってわけです。

路駐。二重路駐。三重路駐。
路駐した車の外側に、さらに重ねて路駐です。

まあこれは、10年に一度あるかないかレベルの珍事件ですが。
そういうこともあります。

参考

僕も自分で目撃したわけではないのですが……けっこう有名な事件で、たぶん10年に一度あるかないかくらいレアケースです!

今のTDRの駐車料金は、普通車が一台2500円でしたっけ。

もし混雑日に1万台の車が来るとしたら、何もしなくても(本当に何も提供していないのに!)1日に2500万円の収入が転がり込んで来ます。ドル箱なんです、パーキングは。チケット売り場を除けば、TDRで最も現金収入の多い部署ですから。
ボロい商売ですねぇ……。

でも、駐車場内に入れられなかったら。その分の収入が消えてしまうんです。
もし、1000台の車を入れられなかったら? 250万円の収入をみすみす逃してしまうんです。

だからパーキングって仕事は超地味だけど、TDRとしては、めっちゃ大事な部署なんですよね。

えっ、なぜ僕がそんなパーキングの秘密を知っているかって?

知りたいですか?

実はですね……

……

本当に知りたいですか?

じゃあお見せしましょうか。

……

……

……

……

……

……

(もったいぶるなという声が聞こえてきそうなので、そろそろ出しますw)

はい、僕でぇ〜す!

そう、実は僕は、パーキングをやっていたことがあるんです。
しかもまたバックステージ(笑)

なぜか僕は、パーキングへクロスに行かされたことがあるんですね。

自分で見返しても、笑いしか起きない(笑)

いや、とっても勉強になりましたけど。パーキングの話はまだまだ面白い話もあるけど、お後がよろしいようで、今回はこのへんでおしまい。

それではみなさん、さようなら〜!

スポンサードリンク
あっくんさん

あっくんさん

元TDLにてアトラクションキャスト勤務を経験した十数年間を回想する場。このブログはそんな僕の、やすらぎの郷でございます(笑)。

FOLLOW

カテゴリー:
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です