スマホやPC、タブレットなどを使うには充電が必要ですよね。しかし時間がないときに限ってバッテリーの残量があとわずかだったりして、でも充電している時間はないし、さらにモバイルバッテリーまで充電するのを忘れてたぁ~、なんて大ピンチ、ありませんか?
僕はありまぁーす!
だからこそ、充電は高速で済ませたいもの。
ただし。高速で充電させるには、充電器を大型にするしか方法はありませんでした。でも持ち運びに困るほど大きいのはちょっと……。
そこでご紹介するのが、このAnkerの「Anker PowerPort Atom PD 1」です。
現在はセット商品もあります。
USB-C ケーブル (1.8m ホワイト)が同梱されているタイプです。一緒にケーブルも欲しい方はこちらがいいでしょう。
USB-C ケーブルを使うデバイスをお持ちの方は要チェック。
さらに、iPhoneなどライトニングケーブルを使っている方にはこちらのセットもあります。
黒もいいなぁ。
Contents
コンパクトかつパワフルな新型充電器
まず、これはバッテリーではありません。
充電器です。充電器とは、コンセントから充電したいデバイスまでの間にあって、直接コンセントに差し込む部分ですね。いくらバッテリーを持っていても、スマホやPCに充電するスピードが遅いと「つなぎっぱなし」にする時間を長く取らないといけないので不便ですよね。
従来の充電器はシリコン半導体で作られていたのだそうですが、この製品はそれに代わる「GaN (窒化ガリウム)」という新素材を採用しているのです。
これが小型かつ高速充電を可能にしました。詳細の解説は後にして、とりあえずこの製品を見てみましょう。
画像で見る製品の魅力
早速お品を見ていきましょう。
外箱開封と、内部の紙の台座に乗った充電器
外箱。シンプルな薄い紙製の箱です。
早速開くと、このように青い台座が見えます。手前のタブを引っ張ると、
こんなふうに、お品がのっかったまま出てきます。うやうやしくご登場です。
うひょー。
本体と簡潔すぎるマニュアル。中に入っていたのは本体とマニュアル、ハッピー用紙(呼び名が分からないのですが、Ankerの製品を買うと必ず入っているヤツで、製品とは一切無関係の、ご挨拶カードのこと)のみ。
ケーブル類はありません。自分で用意してくださいってことですね。というか充電したい機器に必ずついてくるし、この製品にあえて付ける必要はないということでしょう。
シンプルでいいのでは。
本体はいつもの白い半透明のスベスベ(スケベではない)ビニール。
いつも感じるんですが、ちょっとエロい質感ですね(何となく)。
本体は究極にシンプルなデザイン
ちょっと分かりにくいんですが、正面から見たところ。縦長な顔立ち。
差込口はUSB-Cが一つのみ。
本体の側面。
Ankerのロゴがついているのが一つ前の正面画像の左側面でして、この説明書きは正面画像の底部の側面に記載してあります。
他の側面は真っ白。このシンプルさにAnkerの製品への自信が伺えます。
何も足さない、何も引かない的な。
スペック及び製品の特徴
シンプルかつ清潔感あふれるデザインが好感持てます。
USB-C採用。つなぎ口は一個のみ。今のところ、同シリーズはこの製品のみ。
ただし今後、複数の接続口タイプの発売が予定されているようです。
差込む端子は折り畳めません。極限までシンプルにしたせいでしょうか。携帯の際に他のものと一緒に持ち運ぶなら、他のデバイスを傷つけないように注意が必要かも。
この製品の特徴を一言で言うと、
「軽量小型高速新型充電器」
です。
充電器に求められるものは、充電の速さと軽さ(携帯性)。
「Anker PowerPort Atom PD 1」は、一般的なノートPC付属充電器の約40%も小型だそうで、スマホのみならずノートPCの充電も可能。
充電スピードを上げるには小型化しかない
仕方のないことですが、モバイル機器を高速で充電しようとすると、熱が発生します。充電中にスマホを触ると熱くなっている時がありますよね。あれって要するに、熱が漏れている状態です。さらに高速で充電するなら、充電器を大型化する必要があります。
でも放熱しているのなら、エネルギー効率は低い。
効率を高めるには発熱を抑える必要があります。また大型の充電器は可搬性が悪い(持ち運びしにくい)。
やっぱり小型で、熱を抑えて、しかも高速で充電したい。この矛盾を解決する一つの方法が、「新素材を使った」機器を開発することです。
新素材「窒化ガリウム(GaN)」のパワー
窒化ガリウムとは、窒素とガリウムの元素を材料にした半導体です。
別名・ガリウム・ナイトライド半導体とも呼ばれ、スイッチング素子や青色LEDなどでも利用されています。
半導体とは、電気を通しやすい金や銅、アルミニウムなどの導体と、ゴムやガラスなどの絶縁体の中間の性質を持つ素材。シリコンやゲルマニウムなどが使われています。シリコンは有名ですね。安定した素材でPCの心臓部のチップに幅広く利用されています。
ただ残念ながら、シリコンは弱点があって、動作する時に熱を出します。発熱がひどくなると、熱暴走して機能が衰えたりするのです。頑張れば頑張るほどダウンしてしまうのは、人間も同じかもしれません。
この弱点を克服したのが窒化ガリウム。窒化ガリウム半導体は、電気を通した際の抵抗が低いのです。電子回路のダイオードやトランジスタをこの窒化ガリウムに替えると、電力の損失を抑えることが可能です。
結果、熱を出しにくい上に、小型化も可能になります。小型化すると持ち運びに便利なだけではなく、性能面でもメリットがあります。装置内で移動する電子の距離が短くなり、スイッチング速度も高速化できるのです。
その窒化ガリウムを使った充電器が、この製品というわけですね。
では窒化ガリウムの弱点はないのでしょうか? 実はこの素材を製品化するのが難しく、歩留まり(失敗作)をなかなか減らせなかったのです。ようやく製品化にまでこぎつけた、という状態。
現在のところ、最も目立った弱点はコストが高いという点でしょうね。
Ankerがついに窒化ガリウム充電器を製品化へ
元々人工衛星やレーダー等の産業用機械などに用いられてきた窒化ガリウムですが、約2年をかけて民生用の機器の製品化を実現したのですね。
最大出力は30Wのハイパワー
iPhoneに付属している充電器は最大5Wの出力があります。これは一般的なモバイル機器用であり、タブレットやノートPCだとさらに大きな出力が必要です。
大型の機器はその分充電器も大きくなります。スマホの専用充電器よりタブレット、タブレットよりノートPCに付属の方が大きいのはみなさんもお分かりかと思います。
つまり充電器というのは、機器が異なると別のものを用意しなければならないのです。でもそれって不便じゃないですか?
どの機器にも付属している充電器ですが、別個に持ち歩かないといけないのは荷物になりますよね。
Ankerはこの問題にも解決策を用意しようと準備してきたようです。
Anker独自の規格に「PowerIQ」というものがあります。初期の段階ではUSB Type-Aポートをサポートしていました。これ、一番よく見るサイズのコネクタのことです。
現在最も普及している規格は、おそらくmicroUSBですね。
ところがこの製品「Anker PowerPort Atom PD 1」に採用されているUSBの規格は「USB Type-C」。なぜmicroUSBではなく、最新型のType-Cを採用したのか?
理由があります。
実はUSB Type-Cは、「USB Power Delievery」という規格に対応しています。これは最大100Wの電力供給が可能な規格なんですね。
何を意味するかって?
要するに、あらゆる機器が同じ充電器で充電できるようになるということ。
機器ごとに別々の充電器を持ち歩いたり、大型の重いバッテリーを持たずに済む、ということなんです。
Ankerの目指す未来が、ここにあるんです。
同じシリーズの新製品「Anker PowerPort Atom PD 2」今夏登場予定
Anker PowerPort Atom PD 1はつなぎ口が一つのみ。単独でしか使用できません。
この夏に発売が予定されているのがAnker PowerPort Atom PD 2。
こちらは接続口が2個あります。
すでに本国米Amazonでは発売開始しています。早く日本でも発売してほしいですね〜。