シナリオを学んでみた話

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今日は僕が通っていたシナリオスクールについてちょっとご紹介します。

プロのシナリオライター(脚本家とは言わずなぜかここではこう呼びます)を600名以上誕生させた実績、が自慢の業界最大手、シナリオセンターです。

創設者、新井一氏は元々映画会社で映画の脚本を書いていた方で、個人的に指導していたんですが、お弟子さん達と共同出資でシナリオを書ける人材を育てるために設立されたスクールなのです。

ここを選んだ理由は、まず料金が安い。そして実績。まあぶっちゃけると、たまたま雑誌で目に入って来たのがシナセンの広告だったから、というのも理由の一つです。

シナリオ・センターの特徴

通学コースと通信コース

まず入学すると、センターに通い受講するコースと、通信コースを選択できます。通学を選べば青山、横浜、大阪に教室がありますので希望校へ毎週通うことになります。

もちろんオススメは通学です。

と言うよりシナリオスクールのメリットは、実際に直接指導を受けられることに尽きます。ただ技術を学びたいなら通信でも構わないかと思いますが、僕が思うにスクールへ通うメリットは、技術の習得を超えたところにあると考えているんです。それを言葉にすると、仲間ができるとか生徒達がお互いに刺激し合える環境に飛び込めるから、となるわけですが、振り返ってみると、アマチュアでありながらプロの心構えを垣間見る機会を得られる点も捨てがたいのですよ。

まあそれがないとプロになれないのかと言ったら明らかに違います。必要条件ではないです。なので何に価値を置くかは、結局は自己判断ですね。

さて、通学に決めると、さらに2つのコースが待ち構えています。

シナリオ作家養成講座

全23回、約6ヶ月に渡る講義を受けるスタイルの講座です。

週に一回、2時間の講座を毎週受講しに通います。

僕はこれを受けていないのでどんな内容かは知りませんが、青山の東京教室で開催されるのが、(シナリオ)センターの3階にある、前後に細長い教室で、約80名が収容できるくらいのキャパの会場で行われます。(初めてあの教室に入ると、あまりの狭さにビックリするんですよね。しかも席が窮屈だったりする……)

この教室は、特別な公開講座も行われる会場ですので、ガッツリ教わらなくても単発の企画で参加できるため、単独の講座に行ってみるのもいいかもしれません。

って、会場の説明ばっかりで肝心の中身について触れてませんね……w

なぜなら、この後に解説するからです(キリッ)

シナリオ8週間講座

僕が実際に通った講座です。

その名の通り、8週間かけて毎週2時間の講義を受講します。全8回。なので通学する期間は2ヶ月です。

年に5〜6回スタートする回がありますので、ほぼ年がら年中やってます。なのでほとんど待つ必要もありません。月の途中で興味が湧いても、少し待てば次の回が始まるからすぐ受講できるんです。

講座の内容は参加してのお楽しみですが、ちょっとだけお話すると、完全な初心者向けで、シナリオとはなんぞや? というところから入っていき、実際に書く方法を解説してくれます。

初回の講座を受けると宿題が出されます。とあるテーマで、次週までに200字詰のシナリオ専用の原稿用紙で2枚に書いて来てください、というもの。合計400字ですが、セリフの行は短ければすぐ改行するので、あっという間に書き終わってしまいます。

最初は「全然書くことが思い浮かばないよ〜」、なんて悩むんですが、少しすると「書き過ぎちゃってどうしても短くできないよ〜」という悩みに替わりますw

本当に、あっという間に終わります。ちなみに200字の原稿用紙一枚を映像化すると、約30秒の長さになると言われています。

ということは、400字だと約1分。

実際に書いてみると、あまりの短さに驚きます。自分が伝えたいことの半分も盛り込めないですから。

講座は、回を追うごとに課題の書く枚数が増えていきます。

次の週、2回目は枚数が一枚増えて3枚になります。テーマを与えられて書いてくる。そして前回に書いて提出した宿題が返却されるという仕組み。
つまり、

初回→2枚の宿題が出される
第2回→2枚の宿題を提出し、3枚の宿題のテーマを出される
第3回→2枚の宿題が返却され、3枚の宿題を提出し、4枚の宿題のテーマが発表される
第4回→3枚の宿題が返却され、4枚の宿題を提出し、5枚の宿題のテーマが発表される
・・・
以下続き、最終回の第8回に7枚の宿題返却、8枚の宿題提出。

じゃあ最後の宿題はいつ返されるのかって?
ご安心下さい。8週間講座が終了すると、希望者は本科へ進みます。その際に返却されます。
申し込まない場合もちゃんと返却されるようですよ(僕は知らないけど郵送してくれるのかな?と思います)。

課題を提出すると、次週までに講師が添削して返却してくれます。そして原稿用紙の裏側に、講師から、ビッシリとアドバイスが赤ペンで書き込まれて返ってきます。もちろんバシバシ褒めてくれますw 僕も返ってきた原稿の感想やアドバイスを、楽しみにしていました。今でも大切に保管してありますよ。

最終回の前、第7回の時に、次の本科へ申し込むか否かを選択できます。
ここ、ちょっと雰囲気的に申し込まなきゃいけない的空気になりますが(笑)、8週間だけで満足したら申し込まなくてもOKです。
僕が通ったのはもう10年以上前なのですが、第7回の時に本科へ進みたいか否かを確認されるので、希望するなら通学する曜日を回答します。何曜日の、昼間のコースか夜のコースかを選択します。
本科に申し込んだ人は、最終回で、どのクラスになるか配属先?が決まります。

と聞くと、自分でクラスを選べないの?と心配するかもしれませんが大丈夫。もし参加してみて気に入らなければ別のクラスへ移動できます。
そう、シナリオ・センターは参加したいゼミを自分で選べるんです。だから、試しで何回か受講してみてどうも合わないなと思ったら別のクラスを見学できるんです。

初回で一緒に入った人がいつの間にか来なくなり、後で聞くと別のクラスに移ったなんてよくありますよ。

最期の回まで真面目にきっちり書いていけば、二ヶ月後にはかなり自信がついて誰でも書けるようになります。

ただしそれは、シナリオ道という長く険しいけもの道の、最初の導入口に過ぎないということがのちのち分かってくる、という恐ろしい悪魔の魅惑のシステムになっておりまして……w

とまあ、超本気でプロを目指すってスタンスでもないなぁ、ちょっと試したいんだけど……って方には、料金も手頃だし8週間講座から始めるといいんじゃないかなってコースです。

シナリオ・センターの最大の特徴は、人前で自作を読むことだ

8週間講座を無事終えると、希望者は本科ゼミへ進みます。

8週間はあくまで講座。宿題はありますが、基本は講師の話を聞くだけです。

ゼミは違います。

ゼミの最大の特徴は、何と言っても自分の書いたシナリオを、講師や他の生徒の前で、自分で読んで発表することです。読んだあとで、全員が感想を述べて、最後に講師がコメントとアドバイスをしてくれます。

これが自分で思っている以上に恥ずかしく、動揺するんです!

人によっては音読する声が小さくなったりするんですが、小さな声で読むと、聞いている方が「え、今なんて言ったの?聞こえなかった……」と思って感想を言いにくいんですよ。
ネガティブな感想は言いたくない。でも聞こえないとそもそも理解できないし、感想を言いづらい。

だから、自分のシナリオを読む時は、はっきりと聞こえる大きさの声で音読することをオススメします(笑)。

なぜ人前で自分の作品を読むのかって?

プロの脚本家は、俳優さんをはじめスタッフ全員が集まった場で自分の脚本を読むことがあります。(必ず読むわけではないようですが、そういう機会はある)

俳優さんを前に、自分の作品をセリフを含め全部読むわけです。演技が本職の俳優さんを前にですよ!恥ずかしいとか言ってる場合じゃありませんよね。

そんな時、脚本家は自分の作品を、自分の書いたセリフを俳優さんに対し説明するわけです。恥ずかしいどころか自信満々に言わなきゃ、ですよね。

自分が自信を持って書いた作品だから、自信と確信を持って相手に伝える。それがプロと言うものなんですね。
だからこそ、その練習の場でもあるわけです、ゼミは。

でも僕は、シナリオ・センターの最大の魅力はこの「人前で自作を読む」ということ、これに尽きると思うのです。

なぜかと言うと、自分の作品の良し悪しが、直接その場で分かるんですよ。自分では自信を持って書いたのに全然受けない。渾身のギャグがスベるスベる(泣)。

逆に、軽い気分で書いたシーンが、妙に受けたりします。何でこれが面白いの?と不思議に思うほど、どうでもいいシーンで面白かった、とか言われてガックリ来たり。

でもそれが重要なヒントをもらえるんですよ。つまり、客観性って自分で考えている以上に分からない。

プロの脚本家になったら、なぜ自作がヒットしたか、しなかったかって分からない。面白かったとかつまらなかったとか、他人の評価は本当に分からない。

でも、その客観性の一端を、ちょっとだけ体験できます。お客さんって本当に自分勝手だな、ってことが分かるんです。

それだけでも、お金を払って通学する価値がありますよ。

 

最初のゼミは初級・本科

本科からは、「20枚シナリオ」の課題が20本待ち受けています。

20枚シナリオとは、シナリオ・センター独自のシナリオ執筆スタイルで、これこそが新井一メソッドの最大のウリなのです。
20枚の200字詰原稿用紙にシナリオを書く。
初回時に配布される教材に、50枚綴りの200字詰の原稿用紙が含まれています。
今どきはみなさんもそうだと思いますが、手書きで書いてくる人はほとんどおらず、パソコンでタイプしてコピー用紙に印刷して来るわけです。

ただし、本科の初回に出す第1回の課題は、手書きで書いてくるように、と言われます(たぶん今もそうだと思いますが変更していたらゴメンナサイ)。
手書きで書いてくるようにと指示されるのは、書き方のルールを覚えるため、だったと思います。シナリオの書き方には色々と作法があり、読み手が内容を把握しやすいようなルールを手になじませるためなのです。

シナリオって実は決まった規格がないので、プロの作家はかなり自分勝手に書いているようです。でもそれを読むのはプロデューサーをはじめスタッフなので、読みやすく理解しやすい書き方を学ぶことがプロへの第一歩なのです。

2回目以降はパソコンでプリントした原稿でいいよと言われますが、初回のみ手書きで提出です。

僕が思うに、200字詰の長さ(短さ)を肉体で感覚的につかむ意味でも手書きしてみるのは決して損ではないかなと思います。
200字は映像にすると約30秒。400字詰だと約1分。この時間感覚をつかむことは、想像する以上に重要です。

これがつかめていないと、ダラダラしたシナリオしか書けないんですよ。いや本当に。
もったいつけた、無駄な出だしが延々と続く原稿を量産したくなければ、この時間感覚は絶対に覚えなきゃいけないんです。

本科では、8週間講座と同様に、自分が書いたシナリオを提出し、次週に返却されるのですが、その際に原稿の裏表紙に講師がコメントを書いてくれます。これが案外嬉しい。

頑張って書いたところを褒められるかと思えば、前回講師に指摘されたところが改善されていないとキッチリ指摘されたり。ゼミの最中に指摘を受けた部分を的確にコメントしてくれるので非常に貴重です。

 

中級クラス・研修科

さて、あなたが本科を頑張ってクリアしてさらにシナリオ・センターで学びたいと思った時、次に進むのがこの研修科です。

研修科では課題が30本に増えます。

本科の課題って、ハンカチとか鏡とか、モノに由来するタイプと兄弟とか嫁と姑とか、人間関係を取り上げた課題が主なんですが、研修科に行くと、さらに複雑なテーマを与えられます。

初回「魅力ある男」はまだまだ序の口。宿命とか背信などと言った人間心理の奥底を覗き込まないと描けないようなレベルの高さが要求されるのです。
後半に進むと「一瞬シリーズ」や「職業シリーズ」が待ち受けています。

どれも手応えのある課題です。

あ、ちなみに僕は後半20本めで退校してしまいました……残念。

いつか復活しようかな……。

上級クラス・作家集団

研修科を無事卒業したら、その次にあるのがこの作家集団というクラスです。

なんか名前からしてスゴそうですよね(笑)。
集団ですか。書くのは個人だろ!とツッコミたくなりますがここはコラえて。

研修科と作家集団は、プロを本格的に目指す人が腕を磨く場として用意されたそうで、この両クラスに所属している人のみが参加できるコンペがあったりして、そこから見出されてプロへ転向する人もちらほらいるみたいです。

作家集団は、課題はありません。自分の好きな作品を、枚数制限なく持参して、ゼミ生の前で発表できます。
しかも発表するのはシナリオだけでなく、小説でも漫画原作でもいいそうです。もうここまで来たら縛りはないので好きにせい、という事でしょうか。
まあ、プロが活躍する場は映画やドラマだけでなく、小説やネットドラマ、マンガ原作もアニメもゲームシナリオもあるわけで、あらゆるジャンルが門戸を開いているんですよね。

「リング」シリーズの鈴木光司さんが昔この作家集団にいて、自作の小説を発表したらめちゃくちゃ好評でみんなが毎週つづきをを楽しみに来ていた、なんて伝説も語り継がれていますね。

作家集団の講師の中には人気講師もいて、この先生に教わりたいから作家集団に行く、という人も少なくないようですね。

ただネガティブな要素も説明しておくと、作家集団は課題もなければ締め切りもない。と言うことは、自分の作品を書いて来ない人はいつまででもここにいられるということ。

やはり人間ですから、モチベーションが下がるとなかなか書けないわけです。でも参加できるし他人の作品を聞くことはできる。となれば、受けに来るだけで学ぶ姿勢が失われてしまうリスクもあるんです。

もちろん全員がプロを目指しているわけではないし、趣味で来ている人もおり、自由ですから。
そしてシナリオ・センターにとっても商売ですから、それを否定することはありません。

だから、学ぶなら、目的をはっきりさせるのが重要かと思います。

僕みたいに何年も作品を出さずにただ来ているだけとか、普通になりますから。

シナリオ・センターのグレートなポイント

ユルイ!

シナリオ・センターのスゴイところの一つに、何かとユルいというのがあります。講座スケジュールに関しては、比較的ユルいんです。

毎回の2時間の講義ですが、昼の部と夜の部があります。

昼の部 13:30~15:30
夜の部 18:30~20:30

どちらを選んで通っても大丈夫なんです。どういうことかって?

例えば、ある回の講座で、昼の部に参加しようとしたのに開始時間に間に合わなかったとします。ああ、今週は行けなかった、せっかくお金を払ったのにもったいないな……と普通はなります。

……が!

ご安心下さい。そんな時は、夜の部に行けば良いんです。

つまり、毎回の昼と夜の部は、同じカリキュラムで行われるため、どちらか都合のいい方を受講すれば大丈夫なんです! ね、スゴイでしょ?

追記:昼と夜の部でどちらでもいいのは「8週間講座」のことです。本科や研修科は選べませんのでご注意を。

(ただし一応キャパは限られているため、基本的にどちらを受けるかは決める必要があります)

まあ僕は8週間講座を受けた時は週二回だけ派遣で働いていていて時間に余裕がたっぷりあったので、そんな事態は起こらなかったのですが、確か一度だけ昼間の部を受けたことがありました。基本夜の部でしたがね。

新井一メソッドの信頼性

シナリオ・センターで教わる内容は、創設者の新井一さんの作ったカリキュラムで構成されています。

つまり、講師が誰であろうと教える内容は同じということ。

もちろん講師によって個性がありますので、新井一メソッドをどう伝えるかは各講師に任されています。でも、教わる内容はどの講師も同じだし、統一しているわけです。

僕が8週間講座を受けた時も、講師はAさんでしたが、途中一度だけ別の講師が担当しました。

「次回は私は用事がありまして、◯◯先生が担当しますが内容は同じです」と言われました。
そのA先生は、僕が研修科に進んだ時にその先生のクラスに入ったんですが、やはり年に1,2回休んで、代わりに別の講師がやって来てヘルプで担当されていました。たまには別の先生のコメントをもらい、いつもとは違ったアドバイスを受けて新鮮でしたね(笑)。

僕は新井一さんに直接教えを受けたわけではありませんし、ご本人は1997年に他界されています。だから本当の意味で新井一式シナリオ術を教わっているとは言い難いです。

でもその彼の教えを受けた講師の方々が、次々とプロの脚本家を輩出しているので、信頼性は業界ピカイチではと思います。

まあ何にしても、相性はありますので合う合わないは自分で確かめるしかありません。

幸い講師は選ぶことができるので、合わないなと思ったら別のクラスを見学してみるのがいいと思います。

みなさんがプロを目指すのならもちろん、趣味でシナリオを書いてみたいなら、挑戦してみる価値はあるかもですよ。

 

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