「テレビ朝日新人シナリオ大賞」コンクール2018年の傾向と対策

コンクールに応募する作品を悩む男

いよいよ締切が近づいてきました!

2018年度のテレ朝コンクール「第19回 テレビ朝日新人シナリオ大賞」は、何とテーマを決めての募集です。
2016年から募集要項がガラリと変わりまして3回
目。
今年はさらにテーマが最初から決められているため、注意が必要です。

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今年は恋をテーマに限定して募集している

まず、作品テーマが3つに分かれています。

  1. 初恋
  2. 最後の恋
  3. 初恋&最後の恋

そして、応募ジャンルも設定されています。

  1. テレビドラマ部門
  2. オリジナル配信ドラマ部門

これらの組み合わせで応募画面する形式ですね。

これは何を期待されているのでしょうか。

最初からテーマが恋にまつわるお話、と決められているのは珍しいコンクールだと思います。メジャーなコンクールではないですね。

小さなコンペならともかく、映像化を前提にしたコンクールでこれほど絞り込んだ要項を出すと、予想されるのが、

似たような作品がたくさん集まり、審査基準が高くなる恐れがある。

審査員(下読み)の立場になって考えてみましょう。

どれを読んでもひたすら恋の話で、同じような作品を読み続けるのはかなりの苦痛になってきます。
彼らも人間ですから、自然とハードルが上がり、並の作品では評価が厳しくなります。

ところで、テーマが限定されると、我々作者の側からすると書くのが難しいと考えがちですが、逆です。
むしろテーマが決められている方が書きやすいのです、書き慣れた人にとっては。

何でも自由に書いていいよと言われると迷ってしまい絞りきれない。コメディにしようかな、真面目な社会派ドラマもいいな、いやSFにしちゃおうかな、と色々考えてしまいます。何をやってもいいから想像力は広がる一方。

しかし、「恋」しか書いちゃだめ、と言われれば仕方ないな、と方向性が決まってくるので大体こんなのにしよう、とすぐ決められるのです。

だからこそ、難しい。

あなたの応募作品を読む前に同じような原稿を何十本も読み続けて、そこで次に手にしたのがあなたの脚本ですよ。
いい加減ウンザリしてるところに、ハイ、あなたのありきたりな作品が来ました。

クッソつまんねーんだよ!」と原稿をぶん投げられるかもしれません(泣)

そんな悪条件の中で、読みだしたら止まらないほど面白い脚本をあなたは書けますか?
キビシー!ですよね……。

普通の話に飽き飽きしている審査員に、面白いと思われるような作品を書く。
今年はとてつもなく高難度なコンクールになりそうです。

今、ちょっとだけ考えてみて下さい。
初恋を書くとしたらどんなのを書きます?

そんなにオリジナリティあふれるお話なんて、すぐに思い浮かばないですよね。え、これからじっくり考える、ですって?
締切は
2018年11月22日(木)23時59分まで、ですよ!

じゃあ最後の恋は?
なにかいいアイデア、思い浮かびました?

ほら、こんなに難しいんですよ!
テーマがありふれていればいるほど難しい。

じゃあもっとテーマを狭めたらさらに書きやすくなるんじゃないかって?
テーマをニッチな方向に振り切ったら、どうなるでしょう。

ありふれたテーマで集まる作品が凡庸なものばかりになるとしたら、いっそマニアックなテーマを選んだら?

たとえば、
「潜水夫」
「たんす」
「カンチェンジュンガ」

誰が応募すんだよ、ったく!(笑)

応募して来る作品の類似性がさらに高くなって個性が見えづらくなるでしょうね。
やっぱりテーマはありふれた内容が最善です。

じゃあ、質問。

なぜ今さら「恋」だと思いますか?

最近恋愛ものが人気だから? 恋は永遠のテーマだから?

あのね……

 

 

 

 

 

ボーッと生きてんじゃねーよ!!

(流行ってるから使ってみた笑)

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「恋」をテーマにしたのは、2時間ドラマを想定しているから

今までテレビ朝日新人シナリオ大賞」で、このような条件を設定されたことはなかったはず。なぜいきなり今年からテーマを設けたのでしょうか。

どこかにヒントが隠れていないか、探してみましょう。まずは公式サイトを確認します。

参考 第19回「テレビ朝日新人シナリオ大賞」開催についてテレビ朝日

公式サイトを読んでみると、まずは募集要項があり、応募資格、テーマ・ジャンルの記述があります。

【作品テーマ】【応募ジャンル】の記載がありますが、その下。

(1)テレビドラマ部門
(2)オリジナル配信ドラマ部門

2つの中から部門を選びます。
ところで、これはどちらかを選択する、というよりは、尺の長さにより選ぶように見受けられます。というのも、

(3)表紙に部門名・テーマ選択(A・B・C)・ドラマ、配信ドラマの想定尺・タイトル・住所・氏名(本名)・性別・年齢・職業・会社所属の方は会社名・電話番号・メールアドレスを明記してください。

とありますよね。
「ドラマ、配信ドラマの想定尺」というところ。

ん、想定尺?

(1)テレビドラマ部門
   200字詰原稿用紙の縦書きで100枚~200枚以内 想定は60分~120分尺
   (ワープロの場合 20×20行でB5サイズ100枚以内)
   *(例)60分×2本の上下作、60分・90分・120分の単発ドラマでも可。

テレビドラマ部門は、60〜120分の尺を想定するとあります。一方、

(2)オリジナル配信ドラマ部門
   200字詰原稿用紙の縦書きで50枚~100枚以内
   (ワープロの場合 20×20行でB5サイズ25枚~50枚以内)
   *配信ドラマ部門は上記規定枚数の範囲内なら形式は自由。(例)10分×3本でも、15分×2本でも、60分×1本でも可。

オリジナル配信ドラマ部門は、400字✕25〜50枚。これは映像にすると、25分(30分枠)〜50分(60分枠)です。
これを地上波で放送するとなると、一時間枠ですね。

これはつまり、テレビドラマ部門は主に2時間枠を想定しており、オリジナル配信ドラマは1時間枠想定ということでは?

要するに、テレビドラマ部門は2時間ドラマ(サスペンスドラマなど)で採用するための作家を求めているということであり、

そして、オリジナル配信ドラマが1時間枠を想定しての作品募集である、と。

テレ朝側の期待しているポイントが見えて来たような気がします。
昨年までは、このコンクールは「警察ドラマで通用する人材」を求めているような気がしていました。

「テレビ朝日新人シナリオ大賞」2017に挑戦する意味と、次の目標

しかし今年は、2時間ドラマを書ける人材を探している、ということなのでは?

※諸説あります。

あくまで僕の勝手な想像ですが。
応募資格を読んでみて下さい。

性別・年齢・職業は問いません。プロの脚本家を目指している方。
そして、従来のテレビドラマの枠を超えた驚き・感動・楽しさのある脚本を書く意欲のある方。

従来のテレビドラマの枠を超えた驚き、感動、楽しさのある脚本?

一見、よくあるシナリオコンクールのありふれた説明文です。「従来のテレビドラマの枠を超えた」って、どう超えろって言うんでしょうか。

新しいメディアでオリジナル配信ドラマを制作する予定でもあるんでしょうか。
または、地上波で全く新しいドラマを制作するつもりなのでしょうか。

きっと集まった作品を読んでから、どこで映像化するかを検討するつもりなのかもしれません。
テレビドラマ枠を使うのか、ネット配信を狙うのか。

作品の特徴をとらえてから、どこで映像化し放送するのが最も適切かを見極める。内容によっていろんな可能性を帯びているということ。

だとしたら、これはものすごく大きなチャンスかもしれませんね。

今までテレ朝のコンクールって、ぶっちゃけ人材育成には失敗続きでした。
このコンクールから大きく羽ばたいてチャンスをつかんで花開いた人って、とても少ないんです。

もう20年近くやっていて、有名になったのが古沢良太さんだけだなんて、正直施策として失敗ですよ。
フジテレビのヤングシナリオ大賞を見て下さい、何人ものベテラン脚本家を生み出していますから。

そろそろ本気で脚本家を育成していってほしいものです。

てか、みんな成長しようぜ! って話ですね。

このコンクールを利用してビッグになろうぜ!

追記:部門は気にしなくていいそうですぜ

はい、シナリオ・センターのサイトを見たら、僕の説全否定、ありましたー。

参考 第18回テレビ朝日新人シナリオ大賞からみる②「映画・テレビドラマ・配信ドラマの部門について」シナリオ・センター

この中で、注目ポイントは、

テレビはもう1~12までのチャンネルのみならず、動画配信まで観れてしまう。つまり、テレビにとっては、やや危機感をもたなきゃいけないということなんですね。もはやテレビは、「テレビ受像機」ではなく、“ネットも含めた雑然とした”と言いますか、大量な“ストーリー”が流れてくるものという、そういう時代になったと思うんです。

であると。
従来のドラマ制作は、枠に始まり枠に終わるってくらい、放送時間帯・枠があってその中に収まるように作っていくのが大前提でした。
しかし、ネット配信やその他様々な放送媒体が出現すると、もはやテレビ番組表の枠にこだわる事自体がナンセンスなのでしょうね。

考えてみれば、今のドラマの枠だって、21:54からスタートしたり、10分、15分、30分の延長がついた特別時間枠が驚くほど増えましたよね。初回放送の延長はお約束。

連ドラ第一話が一時間枠内で収まると、このドラマ、力入れてない? やる気ないの?って感じるくらいです。

これって、従来のドラマ枠をはみ出した手法です。きっちりちょうどの時間、21時や22時から始まるという常識はもう過去のもの。
深夜枠などはルール無用、23:15から、23:45スタート、25:10から、が当たり前。

僕ら視聴者が思っている以上に、ドラマは戦乱の時代を迎えているようです。

深夜枠の「おっさんずラブ」の話から続いて、

ややエッジの効いたライト感覚のドラマになっていたかと思います。

こういうドラマは今後、地上波のゴールデンタイムとは違って、配信側にまわって行くと言えるのかもしれませんが、現在は「総合視聴率」というカタチの視聴率の評価があるわけですからね。

だから、こういう変化をシナリオライターを志す人たちはよく承知していないと。

これからは、総合視聴率という「リアルタイム視聴とタイムシフト視聴のいずれかでの視聴を示す指標」を考えていかなければならないとのこと。

これがドラマの放送は枠にこだわらないよ、ということから「ドラマの長さはあまり重要じゃない」と言いたいだけなのか。

または、総合視聴率が重視されてくると、ゴールデンタイムやプライムタイムの価値が変化して、放送する時間帯の重要度が薄れてくる。つまりみんながテレビの前で放送開始を待つ視聴習慣が崩れ、夜9時スタートだろうが深夜25時スタートだろうが大した違いはない、だからジャンルや内容で保守的に縮こまらなくてもいいよ、と言いたいのか。

単に前者を言いたいなら、コンクールの応募規定の話で終わってしまいます。ルールを守ってね、を別の言葉で言い換えただけ。

でも後者の場合、実はとんでもない大変革が起きるかもしれません。
今までは、ドラマの放送枠によって内容が考慮されていましたよね。アダルトな内容は遅い時間帯にするとか。

深夜枠は、今まで実験的要素を含むニュアンスで企画され制作されてきました。でも、もし時間帯がさほど重要じゃなくなったら。ゴールデンで実験的な試みが可能になる。
ネット視聴、タイムシフト視聴が前提になると、従来の垣根が崩壊して何でもありになる。と言っても限度はありますが。おそらく放送開始直後に推奨年齢とか注意事項(暴力的表現や性的表現あり等)が入るでしょうね。

いや、どんどん実験していかないと手遅れになるかもしれないんです。

それが規制の緩和や自由闊達なドラマ作りによい影響を与えたら、願ってもないことです。
制作者にとっても視聴者にとってもよいことづくめなら。

面白さをもっと貪欲に追究していきたいですよね。
いや、追究していかなくちゃいけないんですよ!

 

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