今日は普段から思うことを書いてみます。
(新しい気づきを得たら、随時追記しています)
ネット上ではさんざん語り尽くされていて今さら何を言うか状態なのですが、ここをクリアしないと日本のドラマ文化が発展していかないと思いますので、これは絶対にはっきりさせなくちゃならんのです。
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Contents
「面白い」には人ぞれぞれ独自の基準がある
というと身もふたもないのですが、何を面白いと感じるかは明らかに個人差があります。
ドラマに興味がなく全く見ない人に対して「どんなドラマが面白い?」と質問しても、まともな答えは返っては来ないはず。
そしてドラマが基本的に好きな人、最近話題になっているドラマなら見ようかな、と思う人は、自分の興味を引く内容であれば面白さを感じるでしょう。ただし、内容によるかもしれません。
複雑な難問をどんどん解いていく名探偵の活躍を面白いと感じる人。かなわない片思いの恋物語を面白いと感じる人。圧倒的な強さで勝ち進んでいくアスリートの奮闘を面白いと感じる人。
どれも違う面白さです。
何をドラマに求めるかで、面白いと感じる基準は異なってくるのです。
人が面白いと判断するとき、そこには一定の基準がある
料理に例えてみましょう。
あるレストランがあります。ここにあなたが来店します。
表の看板を見れば何のレストランか分かります。イタリアンかフレンチか中華か和食か。まず店構えで判断し、気に入ったら入ります。
おっ、こんなところにイタリア料理店があるぞ。入ってみよう。
店のドアを開け、席に着き、そしてメニューを見ます。
ふむふむ、美味しそうだな。
あなたはメニューに並んだイタリア料理を確認し、どんな料理か分からなかったらウエイターに尋ね、そして注文します。
しばらくして提供された料理を食べ、評価します。ああ、美味しかった。
あるいは思ったより美味しくなかったな、と。
これと同じ行為を、ドラマの視聴でも行っています。
あなたはテレビ欄を新聞やネットで目にします。あるいは広告、番宣で新ドラマの放映予定を知ります。
ふむふむ。面白そうだな。
あなたは番組表の中に、興味を引かれるタイトルのドラマを発見します。何となく意味深で、興味を惹かれました。でもタイトルだけではよく分からないので、ちょっと調べて内容の解説文を読んでみます。
……ああ、なるほど。刑事ドラマで、主人公が超能力を持っていて事件を解決するのか。これは面白そうだな。
とりあえず見てみようかと思い、時間になってからテレビのスイッチを入れます。
始まりました。ファーストシーンから盛り上がります。あなたは興味をそそられ、結局最後まで見てしまいました。
ああ、面白かった。つづきはまた来週、見てみよう。で、来週になりまた見てしまいます。
あなたはすっかり新ドラマにハマってしまいました。
あるいは逆のパターンで、
うーん、あまり面白くなかったな。何で主人公は超能力であっさり事件を解決させないで焦らすんだ?あーあ、やっぱりくだらないな。
で、見るのは途中でやめてしまいました。もちろん来週も見るつもりはありません。
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ドラマと料理は「好き嫌いの個人差」がある顧客を相手にする点が似ている
いきなり強制されてドラマを見させられる人は、仕事で見なきゃいけない人等を除いて、ほぼいません。
最初の時点では、興味を引かれて見始めるんです。しかし、途中で何らかの理由で見るのをやめる。
なぜ? ここが重要です。
上で、料理とドラマの共通点を挙げてみました。
レストランを訪れるお客さんは、入口でどんなジャンルの料理を出すか知った上で入店します。
しかし味の好みは人それぞれ。甘い食べ物を好む人がいれば、辛いものが好きな人もいます。でもシェフはどんな趣向の人がやってきても、ほぼ美味しいと言ってもらえるであろう料理を作り、提供します。
そして一定の評価をもらうんです。ここで及第点をもらえないと、お店の経営が続けられなくなります。だから必死に美味しい料理を作ることでしょう。
ドラマも同じ。どんな好みを持つ視聴者にも、一定の評価をもらえるようなドラマを作り、放映します。
俺はサスペンスが好きだな。私はコメディが好き。いろんな人がいますが、大勢の人に面白いと言ってもらえるドラマ。
色々な趣向の視聴者がいて、でも違いはあれど誰が見てもそれなりに面白いと感じてもらえるような作品を作る。そのコツをつかめば、合格水準のヒット作を飛ばすことが可能になるんです。
なんて、言葉にすると簡単ですが、それが簡単に実現できれば苦労はしないですけどね。
日本のドラマがつまらないなら、外国のドラマは面白いのか。また、それはなぜか
ドラマ、つまらないなぁ。こういう感想を言う方は、
- 日本のドラマがつまらない。外国のドラマは面白い。
- 日本のドラマも外国のドラマもつまらない。
対比した結果の評価なら前者でしょうかね。後者は元々ドラマなんて見ない人の感想でしょう。
外国のドラマが面白いのは、莫大な予算をかけて制作しても利益が出せるから、と言う考え方があります。実際その通りで、世界中にファンを持つドラマシリーズがたくさん作られていますし、みなさんも見たことがあるのでは。
日本国内のドラマ制作現場を考えてみると、どうしても市場規模が大きな壁になっています。アメリカのドラマは全世界をターゲットに作られているので潤沢な予算を投入しても回収の見込みがあるというわけですね。
日本のドラマが完全に内向けである限り、この問題は解決しそうもないですね。
ここでは国内の問題に注目してみます。
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なぜ日本のドラマ(制作陣)はつまらない(作品を作る)のか
- 規制が多い。(スポンサーに配慮し過ぎ)
- 出演者にアイドル・芸人ばかりが並び、実力派俳優が活躍していない
- ドラマ制作にかける時間が少ない。制作サイクルが早い
- 連ドラの話数が少ないので、話題になってきた頃には最終回を迎えてしまう
- 話題集めが先行して中身が伴っていない
主な理由をあげてみました。
各項目について考えてみましょう。
規制が多い(スポンサーに配慮し過ぎ)
テレビには放送コードがあり、放送に乗せてはならない言葉や事象があります。放送内容に制限がないと、嘘デタラメが蔓延してテレビ文化自体の信頼性が失われることでしょう。
気になるのは、テレビ局自体が「自粛」という名目で局自体の損失になる事柄を意図的に取り上げない(≒隠す)ことはあるのでは。
ただ、これをとやかく言っても始まらないです。テレビ局だって営利を追求する一企業ですから、自社の損失につながるような事はできるだけ表沙汰にしないでしょうし。
それでも、隠蔽することが局の損失につながる場合は正式に発表せざるを得ないでしょう。局の自粛方針がドラマの質に悪影響を及ぼす要素は、さほど大きくはないかと思います。
具体的にはスポンサーの顔色を伺うことはあるでしょう。
これは個人的な人付き合いでも、最近身内に不幸があった人に対しては、刺激的な冗談や過激な言動を控えるようにしますよね。
それと大差ないかと。
確かに、あまり規制が多いと脚本を自由に書けない歯がゆさはあります。
有名なところでは、スポンサーに自動車メーカーがついた枠のドラマだと、交通事故で死んだ設定はNGとか。年間数千名が交通事故で亡くなっている現代日本の現実からすると、車にはねられた故人がドラマの設定に使われない事自体が不自然です。
出ないと気づかないので、視聴者はそんな自主規制があることすら意識しないでしょうけど。
携帯会社がスポンサーで、携帯の電波がつながらないとか、通話が途中で切れる設定はNGというのもあります。(以前そんな応募規定のシナリオコンクールがありましたねw)
最近のサスペンスドラマを見ると、作中で人が亡くなる理由の多くが「無難な死」だったりします。たとえば鈍器で頭を強打するとか、階段から転げ落ちて頭を打って事故死とか……。
どのスポンサーにも拒否されない死因って意外と少ないです。
2時間サスペンスドラマを何度も見ていると、どれも似たり寄ったりの死因が出てきてちょっと飽き飽きします。実は脚本家はもっと斬新な設定を提案したけど、スポンサーの意向で変更を余儀なくされているのかも。
規制は創作の枠を狭めます。でも、それがなくなれば急激に面白くなるかと言うと、正直疑問です。
「スポンサーの横槍がなければもっと面白くなるのに」という考え方は、「予算をたっぷりかけた贅沢なドラマは必ず面白くなる」と言っているようなもの。
そういう側面もあるかもしれませんが、たった一つの要因でつまらなくなっているわけではないはずです。
★
ただ、規制が少なくてチャレンジングな環境の中で、想像の羽をいっぱいに伸ばした状態でドラマ制作ができれば、新しいタイプの作品が多く世に出るきっかけになります。
そこから次の世代の面白いエンタメが誕生する可能性はありますが。
創作する立場としては、ぜひそんな環境が生まれることを切に願います。
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出演者にアイドル・芸人ばかりが並び、実力派俳優が活躍していない
②に関しては、昔から日本の伝統的エンタメ(歌舞伎等)では役者の人気でお客を呼ぶ戦略が頻繁に用いられています。
「二枚目」という言葉は、歌舞伎役者の名前を書いた看板の二枚目にカッコ良くてやさ男の役者を配置することから来ているのは有名ですが、そもそも役者の人気でお客様を引っ張り込む手法が通用するからこその看板なわけで。
日本人は昔から、舞台劇を見に来るというよりも役者を見に来る人が多かったのですね。
では物語の内容の質は全く問われなかったかというと、そんなことはありません。ドラマの歴史を振り返れば、数々の名作があり、その上で役者人気が拍車をかけて人気を呼び視聴率を上げていた例は枚挙にいとまがないです。
伝統を引き継いで、というわけではないでしょうが、役者の人気は数字を取るための重要な一要素です。
ほんの十数年前は、「キムタクが出るドラマなら見る」視聴者が大勢いました。
でも木村拓哉さんのファンだけが見ていたわけではないですよね。僕自身も別に木村拓哉さんのファンではありませんでしたが、「HERO」や「ビューティフルライフ」は全話視聴したものです。
★
人気役者の出るドラマには有能なスタッフが集まり、潤沢な予算が用意され、万端の準備を整えて制作されます。人気役者にはスポンサーも集まるし予算もかけられる。
その仕組みがあるからこそ、テレビ局は役者人気に頼りがちになる。
人気役者が起爆剤となってヒット作が生まれ、さらに役者が人気を獲得し、次回作も評価され予算は拡大、スタッフ全体の底上げがなされ、脚本家の想像の羽が自由に羽ばたき、さらに優れた作品作りに貢献する。
他局も負けじとドラマ制作に予算と人材を投入し、切磋琢磨し合い、さらに優れた作品が次々と誕生します。
(人気のない)実力派俳優も相対的に出番が増え、真の実力が認められ人気が追いつき、若手とベテランの俳優同士の交流も活発化し、お互いの役者論や演技の技法が刺激を受けてさらに発展し、舞台や映画などを含めた演劇界全体のレベルアップに寄与していく。
最初は人気先行だったアイドル出身の若手役者も、先輩俳優たちの影響を受けて、次第に本物の実力を身につけていきます。
どんどん好循環が続き、やがて黄金時代が到来します。
ドラマ文化の興隆が社会現象を生み、世の中の人々の意識をすら変えていくほどの力を備えます。
ある意味、ドラマ界の理想郷かもしれません。
しかし、素晴らしい時代は終わりを告げ、やがて衰退の時期を迎えます。
衰退期は必ず到来します。なぜなら、テレビ局は一営利企業だからです。
一時代を築いた有能なプロデューサーやスタッフたちは、功績を認められて昇格していきます。要するに出世です。現場で十分活躍したので後輩に道を譲り、自分は管理職へ回る。
少しずつ、ドラマ制作能力は落ちていきます。
ならば、後輩の育成をしっかりやっておけば大丈夫だろうって?
ここで後輩をしっかり面倒を見て育成したとしても、後輩はかつての黄金時代をそのまま受け継いで業績を上げることはできないでしょう。
なぜかって?
もう、時代が変わってしまったからです。
あの優秀な制作陣が作り上げてきた作品群が、時代の変化と共に古いものになってしまったからです。
輝かしい実績を上げてきた先輩たちが築き上げてきた旧時代の価値観を、後輩が真摯に吸収しようとすればするほど、昔の手法にこだわり新しいものを生み出せなくなっていく。
そして衰退は進み、ドラマの質は落ちるところまで落ちていく。
これは、仕方のないことです。時代の変化は残酷です。
だからこそ、避けられない衰退期が進む途中で、新しい時代の価値観を探し出し、次の波に乗る準備を着々と進めなければならないのです。
と言うのは簡単ですが、そう簡単には見つからない。
テレビ局としては、衰退期の間も作品を作り続けないといけない。実力も落ちぶれてかつての優れた作品を生み出せない現場でも、成果を上げなければならない。
そこで頼りになるのは、役者人気なのです。
多少作品の質が落ちても、役者の人気でお客を呼び戻せるならば、その手を使わない理由はない。
そりゃ、芸能事務所に頼りますよね。当然です。
人気アイドルが出演するドラマなら、ファンはつまらなくても見ますから。
いわば氷河期の生き残り戦略です。恐竜の跋扈していた時代が終わり、少ない餌でも生き残れるように体を小型化したネズミが生き残ってきたように、ドラマ界も冬の時代を生き延びてきたのです。
生き残るためには仕方のない、アイドル頼み・芸人頼み。これは生き残り戦略なのです。
安易にスポンサーや製作陣を責められません。
あなたなら、ドラマ作りに数億円もポンと気前よく払う気持ちになりますか?ってことです。
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ドラマ制作にかける時間が少ない。制作サイクルが早い
以前、と言ってももう20年以上も前ですが、某テレビ雑誌に、ドラマの制作には企画立ち上げから実際の放送まで、2年以上もかける、と記事にあるのを読んだことがありました。
今はどうでしょうか。新ドラマの発表は放送の直前に行われますが、実際には水面下で企画が立ち上がり水面下での制作が進められるようです。
昔、フジテレビは新聞のテレビ欄に「撮って出し」という文言をよく載せていました。ギリギリのスケジュールで撮影し放送直前まで撮影・編集が行われていたというニュアンスで、この言葉はとても新鮮味を感じます。
ギリギリだから質が高いとは限りませんよね。逆に、撮影からかなり時間がたっているからつまらない、とも言い切れない。
ただ、新鮮な映像であることは間違いないです。
大雪が降った街がロケで使われれば、ほんの3日前に撮影したんだな、と分かります。つい最近撮影されたという印象が、生々しさにつながるのは事実。(ただの印象に過ぎないものの、あなどれません)
ドラマにどのくらいの時間をかければ質が上がるのか。時間をかけた分クオリティが良ければ、かけた時間に比例して面白くなるかもしれません。
でもそれだと、「予算をかけた分だけ面白くなる」という理屈と大差ありませんね。
(ところで「日本のドラマは市場が小さいのでアメリカと比べて予算がかけられない」という理屈は、韓流ドラマだとさらに小さな市場できっちり作っているのはどう釈明するのだろうか……?)
連ドラの話数が少ないので、話題になってきた頃には最終回を迎えてしまう
アメリカのTVドラマを見ると、1シーズンあたりの話数が20話を超えるものばかりです。
これは週一で放送したとして、約半年に渡り同じドラマが続くということでしょう。
キャラクターをしっかり設定して、俳優さんも役作りに時間をかけて、丁寧に作られたドラマであれば、半年間の放送に耐えうる内容で作り続けられます。
どういうことか?
各登場人物の作り込みが甘いと、ネタがなくなってきます。一つのテーマを深掘りしていって主人公が活躍するのがドラマですが、安直な企画を立ち上げて「まあこんな人かな」と書き始めると、脚本が途中で止まります。
人物が動かなくなってくるのです。
簡単に言うと、ネタ切れです。切れたネタを無理に出そうとすると、既視感で埋め尽くされたような型通りの展開しかできなくなる。
日本のドラマで長期間の放送枠と言えば、大河ドラマと朝ドラですよね。
どちらも長期の放送に耐えられるよう、企画を相当作り込んでから撮影準備に移ります。
朝ドラの制作発表は1年以上も前から公表されますよね。
大河なら再来年の企画が公表されます。公表の段階にいたると言うことは、ある程度決まった段階にあると言うこと。つまり準備は前々から始まっているわけです。
やはり事前の準備は大事ですね。
逆に言うと、準備期間が短いとクオリティに影響を及ぼすのでは、と思います。
こんな記事もありますよね……。
世界でも珍しい!日本のドラマ回数が少ない理由。
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話題集めが先行して中身が伴っていない
テレビ局が主演俳優たちを一日中生番組に出演させまくって盛り上げて、あらゆる世代の視聴者をかき集めて視聴率アップに務める。
昨今の、連ドラスタート前の改編期によく見られますよね。
問題は、番宣をして第1話放送の後です。
初回を見てくれたとして、そのまま最終話まで見続けてくれるか。それ以前に第2話も引き続き見に来てくれるか。
結局、第1話が面白いかどうかにかかっているわけです。作品自体のクオリティが低ければ、視聴者も少しずつ脱落していき数字は右下がりになりますし。
話題作りは決して悪いことだとは思いません。作品のアピールは大事ですからね。
どんなに面白い作品も、知らなきゃ一部のマニアしか見ません。連ドラは初回を見逃すともう見ないって言う人、多いですよね。
番宣で人気俳優さんの素顔が見られるのは興味深いし、好きな役者さんが見られるのもいい。でもどうせなら、もっと工夫した方がいいのかなと思います。
自局だけでなく、他局へもお金を払って出るとか。
(ダメですかね?ゲリラ的で面白いと思うけどな)
私からの大胆な提案です。
たとえばNHKのバラエティ番組に、フジテレビの新ドラマの宣伝で主演俳優が登場するとか。(視聴者から苦情が来る?)
第1話放送は、完全生放送。録画なしでやる。
役者さんは一発真剣勝負。実力派俳優さんたちの真の実力を見せてもらおうじゃありませんか。NGを出してもそのまま放送。誰が本当に上手くて誰が下手か、全部分かっちゃう。
真剣勝負していない役者に、視聴者は感動なんかしませんよ。昔のドラマにはよくあったんですが、最近はやりませんね。
三谷幸喜さんのドラマバラエティ(みたいなのありましたよね)以来かな?
ついでに脚本家も現場で書く、くらいの気合を見せて欲しいですよね。
(とさりげなくプレッシャーをかけるのであったw)
確か韓流ドラマの脚本家って、撮影に参加してその場でどんどん脚本に変更を加えていくと聞いたことがあります。そのくらいしないとダメですよ、マジで。
今のテレビは真剣勝負がほとんど見られないです(芸人さん以外)。
放送話数の少なさも、結局はリスク回避という理由から来ているとしたら。何をするのもリスク回避を最重要事項に上げている雰囲気がプンプンしている。これでは視聴者は集まりませんよね。
次の提案。
第1話放送当日の前、朝でも昼でもいいので、第0話を放送するのはどうでしょう。
スピンオフ・スピンアウト的企画で、番宣とからめた事前エピソードを放送する。短くてもいいし何回放送してもいい。ドラマの舞台を紹介する形の短編を流し見してもらうことで、試食的な試視聴ドラマを流す。
本編とは関係が浅いので、見ていなくても第1話に入っていける。また事前に見ておくことで、より深く作品世界に入り込める。
スピンオフと違うのは、主演俳優がきちんと出てくること。忙しい主演俳優の代役で脇役を主役に持ってくるスピンオフ形式は、作品世界の裏側を覗いているみたいで興味をそそられるけど、それは本編ではありません。
第0話は、本編の序章みたいな位置づけです。
いわば音楽のイントロなのです。それが強い印象を与えて、結果作品全体に波及するような重要な回です。
主演役者さんも、番宣のためにバラエティ番組でイジられずに済みますし。(イジられてる方が面白いけど)
あと他には……また何か浮かんだら書きます。
大事なのは、できない理由を上げるのではなく、できることをやる。
これですよ、これ!
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まとめ:面白いドラマは総力戦である
役者、予算、枠、脚本家、演出、撮影、大道具小道具、様々な要素がからんで、映像が放送された上で視聴者が評価するのが連ドラです。
一作品に留まらず、一度高い評価を受けた作品は、続編や同じ俳優が出る次回作を見る動機につながります。
連ドラは、一本の作品だけで完結しているわけではなく、その後も評価が持ち越されて継承されるものだと思います。
キムタクドラマが面白かったら、次の主演作も見に来るのが視聴者です。
半沢直樹がヒットしたら、その後の池井戸さん原作ドラマに視聴者が集まって来る。
そうやって、ドラマ人気は蓄積されていくんです。
僕は、連ドラは「視聴者への信頼性の積み上げ」が最も重要だと思っています。
ドラマの視聴率低迷の理由を主演俳優やテーマやその他に求めたい気持ちは分かりますが、どれか一つの原因で低評価になると決めるのは無理があります。
ドラマは様々な要因から成り立っているし、大勢のスタッフが協力して作るものです。いわば団体戦なんですよね。
役者も含めた制作スタッフ全員の力によって作られています。各自が総力を結集した結果が完成作品です。成否は内容を見ないことには評価できないのです。
でも、見てもらわなきゃ面白さは分からない。
役者は最高の演技を見せる。
プロデューサーは制作が滞りなく進むのを指揮する。
脚本家にできることは、最高の筋書きを文章にすること。
これに尽きますね。
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