チョコレートはお好きですか?
ここ数ヶ月間というもの、高城剛さんのメルマガを購読しています。
最近彼が著作した書籍で、『green bean to bar CHOCOLATE 世界で一番おいしいチョコレートの作り方 (NEXTRAVELER BOOKS) 』という本があります。
kindleunlimitedもありますので、アンリミ中の方は読んでみると(写真だらけなのですぐ読めます)いいかも。
このフォトブックは、チョコレートの新しい潮流、ビーントゥバーについて書かれています。
ビーントゥバーとは何か。
あなたはチョコレートを食べたいと思った時、どこに買いに行きますか?
おそらくコンビニやスーパーなどじゃないでしょうか。
そこに売っているチョコレートは、ほとんど、いや全てがお菓子のメーカーが作ったものだと思います。
では、メーカーはどうやってチョコレートを作っているのか。そんなの、専門家が作っているに決まってるだろ、と思いますよね。
でも我々は、チョコレートの作り方なんてたぶん知らないと思います。というか興味がないのではないでしょうか。
とにかく甘いチョコレートが食べられればそれで満足だよ、と。製法なんて知ったって別に自分で作るわけじゃないし。
意味なくない?と。
でも。
本当の美味しさは、大量生産品にはない。
そこで登場したのが、『ビーントゥバー』という考え方です。
チョコレートを作る上で、原料のカカオの入手から始まり、最終的にチョコレートになるまでの全てのプロセスに関わっていく。
つまり、本当の意味で『チョコレートを作る』行為の全てを行う、ということ、これをbean to barといいます。
Contents
green bean to bar CHOCOLATEで購入してみた
このささやかなムーブメントが徐々に広がりを見せて、現在では日本国内にいくつかの店舗が営業しています。
その中の一つで、実際に購入してみました。
購入したオンラインストアはこちら。
参考 オンラインストアgreen bean to bar CHOCOLATE今回購入したチョコレートバーは2本。それぞれ解説がついています。
〈限定〉LIMITED SPECIALTY 2020
![LIMITED SPECIALTY 2020](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2019/12/2020y-1024x649.jpeg)
限定ものなので、どうだろうと思い、パケ買いしました(笑)。
赤いフルーツやシトラスの爽やかさが特徴のマダガスカル産のカカオ豆を使用したチョコレート。
トップにまぶしたカカオニブスが食感とダイレクトに感じるカカオ豆の香りをプラス。
そこに甘酸っぱいドライフランボワーズをトッピング。
フランボワーズのほどよい甘みと酸味がチョコレートの甘さを優しく引き出し、
わずかな渋さの余韻が心地よく口の中に広がります。
とのこと。
〈ESPRESSO〉COSTA RICA 70%
![〈ESPRESSO〉COSTA RICA 70%](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2019/12/costarica70-1024x649.jpeg)
上のは限定版なので、もう品切れみたいだけど、通常の販売品なら今でも手に入ります。これを選んだのは、味のバランスが比較的取れているものを試してみようと思ったから。
あまり個性的なのを最初に味わうと、その個性だけで全体を判断してしまいそうなので。
チョコレートを選ぶ上で決め手となったのは、甘さと苦さと独特のフレーバーの何を優先して味わいたいか、です。
このバーは、コーヒー豆の浅煎りの柑橘系アロマが特徴のルワンダとエチオピアのブレンドを混ぜ込んでいるとのこと。
甘み、酸味、苦味のバランスが取れた1枚。
パッケージの梱包と中身の開封
さて、注文してみると、何と送料が950円。うっ、チョコだけじゃなく送料も高いんか……と驚く前に、一応到着した状態も見てみましょうか。
![グリーンビーントゥバー外箱](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2020/01/IMG_0093-3-1024x683.jpeg)
宅配便で届いたのは、段ボール箱。天面の伝票だけ剥がしてみた状態。
![green bean to bar箱開封](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2020/01/IMG_0094-3-1024x683.jpeg)
上蓋を開けると、何やら入ってます。
![green bean to barガイド用紙とカカオ豆](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2020/01/IMG_0095-3-1024x683.jpeg)
横長の用紙は二つ折りの紙で、中を開くと、チョコレートの製法がイラスト入りで解説されています。
超丁寧な案内文。
![green bean to barカタログと保管案内](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2020/01/IMG_0097-3-1024x683.jpeg)
縦長の用紙はじゃばらになっていて、チョコレートバーのカタログでした。右側はチョコレートの保管方法についての説明文。
![green bean to bar保管案内](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2020/01/IMG_0099-3-1024x683.jpeg)
この用紙は、ブランドのグリーティングカードですかね。
![green bean to bar保管案内文](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2020/01/IMG_0100-3-1024x683.jpeg)
こちらがチョコレートの保管方法について説明した用紙です。
夏季はラップに包んで冷蔵庫に保管して、食べる30分前くらいに取り出して下さいとか。
![green bean to bar序文用紙と製法案内](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2020/01/IMG_0113-3-1024x683.jpeg)
ビニール袋に入っているのは、サンキューカード的な用紙と、裏側に納品書も同封。
あと、見にくいんですが、一粒のカカオが入っています。
匂いはほとんどしないんだけど、手にとって嗅ぐと、あ、これがカカオの匂いか、と分かります。
実食
さて、実際に食べてみないことには美味しいのかどうか分かりません。
【〈ESPRESSO〉COSTA RICA 70%】はコーヒーの香りと苦味が特徴
まずは、【〈ESPRESSO〉COSTA RICA 70%】からいただくことに。
実物はこちらです。
![〈ESPRESSO〉COSTA RICA 70%](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2019/12/E7EAF233-D1CF-47E2-99DC-567327169448-768x1024.jpeg)
包み紙がとってもいい紙質なんですよね。ちなみに分量は200グラム。
そんじょそこらのコンビニで売っている程度の、ごく普通のサイズです。これでお値段が1,728円なり。
高いか安いかは、食べてから判断しましょう。
![〈ESPRESSO〉COSTA RICA 70%](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2019/12/IMG_0057-768x1024.jpeg)
裏のシールを剥がして開封してみました。中はこの通り、金色のアルミホイルに包まれています。この金紙もよくあるチョコレートを包んでいるものとほぼ同じかな。
![〈ESPRESSO〉COSTA RICA 70%](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2019/12/IMG_0059-scaled-e1577803396888-1024x768.jpeg)
外側の包み紙から出してみると、どうやら中身はちょっと折れているようです。ぐにゃぐにゃしている。
![〈ESPRESSO〉COSTA RICA 70%](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2019/12/IMG_0061-scaled-e1577803559529-1024x768.jpeg)
こんな感じで、優しく包んであります。のりとかで貼り付けているわけではなく、ただ純粋に包んでいるだけの状態。
早速いただきます。
![〈ESPRESSO〉COSTA RICA 70%](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2019/12/IMG_0062-scaled-e1577804006994-1024x768.jpeg)
……うむ。とってもコーヒーの香りが強めに広がる。
そして、この舌触りは、ヨーロッパのチョコレートに近いな、と感じました。
昔、ベルギーかオーストリアあたりの輸入物チョコレートを食べたことがありますが、『粉を感じるような』舌感というか。
日本で普通に食べられるチョコとはまるで食感が違うんですよね。
日本で普通に食べられるチョコって、すごくなめらかで、粉感(というか砂感?)が全くないですよね。あれ、なんでこんなにも違うのかなってくらい、舌触りが違う。
あちらのチョコレートって、ひょっとして自然な製法で作っているということ?
逆に日本メーカー製は、何らかのなめらかに感じる加工をされているということだろうか。
なんていうか、異国の食品なんですよ、これは。
そして味は、甘みもあるんですが、まず苦味が来る感じかな。
素材感が半端なく伝わってくる。
とにもかくにも、贅沢やなぁー。
★
【〈限定〉LIMITED SPECIALTY 2020】は、カカオの粒と華やかな酸味が特徴
お次は【〈限定〉LIMITED SPECIALTY 2020】です。とりあえず、食べてみましょう!
![〈限定〉LIMITED SPECIALTY 2020チョコレート](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2020/01/665BCA9F-A9B4-4563-A6B2-B679A28D2205-768x1024.jpeg)
パッケージ。美しい。
![〈限定〉LIMITED SPECIALTY 2020包装紙裏](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2020/01/DE23A3B8-3C1F-4CCE-A532-3ADB8E443D1A-768x1024.jpeg)
裏側。
![〈限定〉LIMITED SPECIALTY 2020中の包み紙](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2020/01/DC5CB570-DB97-4471-9CFB-8BEA191F2B29-e1578064476488-1024x768.jpeg)
こちらも金色のホイルに包まれており。
![〈限定〉LIMITED SPECIALTY 2020中身](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2020/01/A8D254D5-ECDD-4A2E-8939-57F14E566533-e1578064433347-1024x768.jpeg)
中を開くと……!
何か粒がまぶしてあります。
![〈限定〉LIMITED SPECIALTY 2020チョコレート](https://akkungo.com/wp-content/uploads/2020/01/20B47563-4AE5-40C7-A4DD-07ADFA8B59B7-e1578064407172-1024x768.jpeg)
なるほど、これがカカオニブスか。何とユニークな。
こちらは宣伝文句がそのまま当てはまる、一言でいうと華やかな味覚が広がります。
赤いフルーツやシトラスの爽やかさが特徴のマダガスカル産のカカオ豆を使用したチョコレート。
トップにまぶしたカカオニブスが食感とダイレクトに感じるカカオ豆の香りをプラスします。
そこに甘酸っぱいドライフランボワーズをトッピング。
愛らしい赤色がチョコレートを華やかに彩ります。
フランボワーズのほどよい甘みと酸味がチョコレートの甘さを優しく引き出し、
わずかな渋さの余韻が心地よく口の中に広がります。
このカカオニブスがいきなり板の背面にまぶしてあります。
固い粒は簡単に言うとコーヒー豆っぽい。焙煎してあるからか、ガリッと歯ごたえがあります。
そして、チョコレート本体は酸味が強くて甘みが奥に引っ込んでなかなか出てこない。果実を口に含んでいるみたいで、チョコレートのイメージからはかなり遠ざかっていますね。
こんなチョコレートがあるのか、という。
予想外の味覚が楽しめます。
これ、本当に限定でもう再販しないのかな……残念。でもオンラインショップは在庫切れとあるだけなので、何となく再販しそうな気配ですよ。
こんなチョコ、巷じゃ売ってませんよ、本当に。
見た目も実にユニークだけど、味が全然個性的。
まとめ:チョコレートを純粋に楽しむという悦楽
パッケージに『○○○セレクション金賞受賞!』と書かれた製品。
セレクション金賞なんだから、すごく立派な賞じゃないかって思いますよね。でもあれは審査料を払って一定の水準を満たせばかなりの高確率で受賞できるもの。
あるいは、芸能人が一日中CMで宣伝を繰り返した商品。そんな広告効果で売上を上げた商品は、「美味しいから」売れているというわけじゃない。
コーヒーの世界はサードウェーブという新しいムーブメントにより、既存の古いイメージからの脱却に成功しました。
高城さんは、チョコレートこそ次のムーブメントが起こると確信したとのこと。
どこの誰が作ったか分からない、製法も知らないのに無関心で日々消費している現状に警鐘を鳴らしているというわけです。
チョコレートに限らず、食品の安全基準には脆弱性が潜んでいます。
大量生産品こそコスパの源泉ではありますが、反面食の安全性は非常に脆いものになってしまいました。
だからこそ、この本の主人公、安達建之氏のように、本物のカカオを求めて南米のジャングル奥深くまで探しに行くほどの情熱を持って、チョコレート作りに取り組んでいる人がいる。
きっとこれは、チョコレートの甘さや美味しさを楽しむだけでなく、そんな誰かの情熱を楽しむものではないかとも思った実食体験でした。